この日、トップバッターを務めたのは川嶋あい。ピアノ弾き語りの「大丈夫だよ」、中学校を卒業した直後に書いたという「旅立ちの日に…」(I WiSH「明日への扉」の原曲)などを披露した。続いて登場した馬場俊英は、川嶋とともに柏原芳恵の名曲「春なのに」を、斉藤由貴とともに「夢の中へ」を熱唱。

『ライブW 卒業のうた'09 ~songs for tomorrow~』

「今日は斉藤さんと一緒に歌えるということで、とても緊張しました」と馬場が話す一方、「すみません、最初からいっぱい間違えてしまって(笑)。一緒に歌うのは難しいですね……」と斉藤も緊張した様子。しかしその後は緊張感を感じさせず、斉藤が「卒業」を歌い終えると大きな拍手が湧き起こった。

ライブの後半は、昨年に復活をはたしたSPEEDからスタート。4人がステージに現れると、会場の拍手もひときわ大きくなり、「My Graduation」の後半では観客も大合唱。音楽監督の武部聡志氏から「大人になったよね」と言われると、島袋寛子は「当時12歳で、小学6年生でしたね。いまは24歳になりました」とコメント。また、上原多香子にとって「My Graduation」は特別な思い入れがあるようで、「この曲をリリースした時に、ちょうど私も中学を卒業したんです。いまでも"卒業ソング"として歌っていただけているみたいで、本当にありがたいですね」。最新シングル「あしたの空」の後は、「Breakin' out to the morning」「All My True Love」「Steady」「Body & Soul」のヒット曲メドレー。会場の盛り上がりも最高潮に達した。

ゴスペラーズと斉藤由貴のコラボレーション

熱気が冷めやらぬ中、続いて登場したのはゴスペラーズ。「青い鳥」を歌った後、村上てつやの紹介で斉藤由貴が再登場。「30~40代が選ぶ"卒業ソング"ナンバー1(「卒業」)を生で見られて本当によかったですよ。完全にブラウン管の中の世界でしたから」と話す村上に、「私も(ゴスペラーズは)テレビでよく見るけど、ステージでサングラスをかけて歌う人を見るのは初めてです(笑)」と斉藤が冗談っぽく言い、観客を爆笑させる場面も。 ゴスペラーズと斉藤由貴のコラボレーションで披露したのは、大滝詠一作詞作曲、吉田美奈子やラッツ&スターなど多くのアーティストによって歌われた「夢で逢えたら」。ゴスペラーズはその後、山本潤子とも共演し、「中央フリーウェイ」を歌った。

「ゴスペラーズの皆さんにアレンジしていただいて、とても楽しかったです。ハイ・ファイ・セット時代を思い出しました」と話した山本は、透明感のある歌声で「海を見ていた午後」「笑顔を見せて」を披露。そして最後に、「卒業をテーマにした歌は数えきれないくらい生まれましたが、そのきっかけを作った大きな曲だと思っています」と語り、荒井由美作詞作曲、ハイ・ファイ・セットのデビュー曲でもある「卒業写真」をしっとりと歌った。

本編終了後も鳴り止まない拍手の中、まずは音楽監督の武部氏が現れ、この日出演した全アーティストが呼び込まれる。アンコールで演奏したのは、山本潤子がかつて在籍した「赤い鳥」時代の代表曲「翼をください」。最後は出演者だけでなく、観客も巻き込んでの大合唱となった。

数多くの「卒業ソング」が歌われ、普段は見られないコラボレーションも実現した今回のライブ。この模様は3月29日18:00より、WOWOWにて『ライブW 卒業のうた'09 ~songs for tomorrow~』として放送される。

出演者コメント

斉藤由貴

コラボレーションでステージに立つこと自体、私にとってはあまり経験がなくて。だからいつも以上に緊張しました。でも馬場さんは見るからに優しそうな雰囲気の方ですし、ゴスペラーズさんは間近で見ても歌がうまくて。今回は馬場さんやゴスペラーズさんに助けていただいた部分が大きいですね。このライブを見て、皆さんが卒業した時のせつない気持ちなどを思い出し、感動していただけるといいですよね。そして今回のライブでは、音楽監督の武部聡志さんによって1つの美しい流れができあがっているので、その部分も楽しんでほしいと思っています。

山本潤子

『卒業写真』を歌う時、たとえば若い人たちへのメッセージであったり、自分自身への応援歌であったり……というように、その時々によって歌に込める思いは違います。今回に関しては、若い人たちに向けて、『これからも頑張れ!』という気持ちが強かったですね。この大きなイベントに参加できたことが、なによりも光栄なことですし、若いアーティストの方々とステージに立つという貴重な体験もさせていただきました。世代としてはちょっと上かもしれないけど、このライブや番組を通じて、若い世代にも『山本潤子』の存在を知ってもらえたら嬉しいです。

川嶋あい

素晴らしいアーティストが出演される中でのトップバッターなので、緊張しました。でもすごく光栄なことですし、私は小学生の頃からSPEEDさんが大好きだったので、一緒のステージに立てるのが嬉しかったですね。私がまだ福岡に住んでいた頃、SPEEDさんのライブを見に行ったこともあるんです。それくらい好きだったので、こんなに早く夢が叶っていいのかな? と思いました(笑)。いまでも信じられない気持ちでいます。私自身にとっても大切な卒業ソングを集め、歌わせていただきました。皆さんもぜひ、卒業に対する様々な思いを抱きながら聴いていただけると嬉しいですね。そして少しでも前向きな気持ちになって、希望や勇気を感じてもらえたらいいなと思っています。

馬場俊英

斉藤由貴さんは、テレビ番組をはじめ、いろんなところで拝見していたので、リハーサルでご一緒した時から不思議な感覚がしました。このライブは僕自身にとっても、すごくいい機会だったと思っています。番組が放送される3月29日は、これからの新生活に向けて節目の時期を迎えている人も多いと思います。今回のライブでは、『卒業』へとつながる様々な思いが歌われていますから、ぜひご自身の生活と重ね合わせつつ、聴いてもらえればと思っています。