23日よりCFD取引に参入したエフエックス・オンライン・ジャパンが26日、企業戦略説明会を実施した。同社が提供するCFDの特長や国内初となるオプション取引「バイナリーオプション」について説明がなされた。

同社は昨年、英国のIG Group Holdings (IGグループ)と包括的に資本提携を行った。IGグループは、ロンドン証券取引所に上場する外国為替証拠金取引およびCFDのリーディングカンパニーで、株式時価総額で約2,000億円規模。1974年に設立され、現在、イギリス、オーストラリア、シンガポール、フランス、アメリカを含む8カ国で事業を展開している。

CFDは差金決済取引とも訳され、現物の株式などを直接保有することなく、売買の差額を現金で決済する取引手法を指す。CFDの特長としては(1)FXと同様の証拠金取引で、レバレッジをかけた取引が可能であること、(2)日本225株価指数やウォール街株価指数など代表的な株価指数は24時間取引可能、(3)売りから取引を開始できるので下落相場でも積極的に収益チャンスを狙えること-など。FXの仕組みに似ていることや、約80%の個人FX投資家が株取引の経験があるというデータから、日本株から米国株、株価指数、商品先物など多岐にわたるCFDに個人FX投資家が参入する可能性は高いとみられる。

同社がCFDに参入したのは3月23日。同社代表取締役のジェームズ・ダラス・ガウ氏が日本初になれなかったことを残念がるように、CFD取引は既にひまわり証券やCMC Markets Japanなどが始めている。また、3月18日にはSBI証券も参入し、注目を集めている。

エフエックス・オンライン・ジャパン代表取締役のジェームズ・ダラス・ガウ氏(写真左)とIGグループ・ホールディングスCEOのティム・ホーキンス氏

【魅力その1】予想が当たれば100、外れれば0 - 単純明快なオプション取引「バイナリーオプション」

同社のCFD参入は日本初ではないが、それでもエフエックス・オンライン・ジャパンのCFDには魅力がある。その最たるものが非常に分かりやすいオプション取引「バイナリーオプション」だ。バイナリーとは「二進法」を指し、マーケットの終値を投資家が予想して予想があたれば100で清算、外れれば0で清算するという単純明快な仕組みで、取引開始時に最大利益と最大損失があらかじめ分かるというメリットがある。

バイナリーオプションの仕組み

同社によると「たとえば、日本225株価指数の買いポジションを持っている際、短期的な相場下落を予想したが、長期的には上昇を期待している場合、買いポジションを清算すると取引コストがかかり有効ではないが、バイナリーオプションで売りを保有することで下落リスクをヘッジすることが可能」。毎日の終値に対してオプションが設定されるため、デイトレーダーの短期的投資向けで、また保有資産の短期的なヘッジとしても利用できる。取引期限は当日のみで、最終期限までにポジションの清算も行える。スタート当初は全13株価指数で展開する。

バイナリーオプション

【魅力その2】日本個別株と株価指数は「日本最大」の取り扱い銘柄数

取り扱い銘柄は日本個別株(約500銘柄)と株価指数(30銘柄)は「日本最大」(同社)、米国株約2,000銘柄を含めた約2,600銘柄が提供される。現在人気のある株価指数やETFについてもCFDを通じて国際分散投資を行える。今後は商品や金利・債券など取り扱い銘柄数を順次追加し、将来的には約9,000銘柄を提供する予定とのこと。

標準最低保証金額は、日本225株価指数で15,000円から取引可能。「たとえば日経平均が8,400円の時、弊社の日本225株価指数ミニ取引は84万円相当の取引となります(銘柄によって異なる)」(同社)。レバレッジは主要な株式については約10倍で「今までの信用取引のレバレッジは約3倍となっていますので、より資金効率の高い取引が可能です」(同社)。また信託保全については、全額を三井住友銀行の信託口座に預け入れる。

【魅力その3】のFX取引と同一口座で取り扱うことが可能な取引システム「PureDeal」

先月、同社は外国為替証拠金取引(FX)システムに、IG Group Holdings の開発するブラウザベースの取引システム「PureDeal」を導入。この「PureDeal」にCFD(差金決済契約)が対応した。

同システムは、世界9カ国で導入されているオンライン取引システム。特別なソフトウェアをインストールする必要は無く、インターネットにアクセスできれば、WindowsやMac等のOSに依らず、利用することができる。NTTドコモの携帯電話やiPhoneにも対応しているとのこと。

同システムの特長は「国内では初めて」(同社)となる「ギャランティーストップ機能」。市場が急騰/急落した場合でも顧客が指定していたストップ価格と実際の約定価格との間に発生する差額(スリッページ)が発生しないため、損失発生時の損失を限定し、リスクを軽減できるという。なお、FXの取扱通貨ペアは65通貨ペアに拡大されている。

「PureDeal」の取引画面