GoogleのAndroid OSを採用したスマートフォンは数社が製品計画を発表しているものの、実機はまだHTCの製品以外登場していない。そんな中、中国メーカー製のAndroid端末が今年後半に登場する予定である。General MobileのDSTL1は、5メガピクセルカメラやデュアルSIMカード対応の意欲的な製品だ。

MWC2009で初公開されたGeneral Mobile DSTL1

Android OSを搭載している

HTCに次ぐAndroidスマートフォン

Andoroid OSを採用したスマートフォンは、台湾のHTC製の「T-Mobile G1」が2008年10月より販売されている。G1は、通信事業者であるT-Mobileを通じて北米で発売された。現在はヨーロッパへ販路が広げられている。

オープンソースOSであるAndroidは、スマートフォンに参入したいメーカーには利用価値の高いOSであり、大手以外でも採用を検討しているメーカーは多い。特に携帯電話・スマートフォンの製造ノウハウに長けた中国のOEM/ODMメーカーにとっては、OSの開発やライセンス費用を低減できるAndroidは魅力的なOSだろう。

今回紹介するGeneral Mobileの「DSTL1」は、HTCに次ぐAndroidスマートフォンとして2009年中に発売する予定である。General Mobileは、北米に拠点を置く端末開発メーカー。DSTL1の製造開発を中国のODMメーカー、YuHua TelTechと共同で行っている。このDSTL1は中国メーカーによるAndroidスマートフォンとも言えるだろう。

2009年2月にスペインで開催されたMobile World Congress2009(MWC2009)にて、初めて実機が公開された。

5メガカメラやデュアルSIMカードに対応

DSTL1は、タッチ操作に対応した3インチワイドQVGA(240×400ピクセル)のディスプレイ、LEDフラッシュ付きの5メガピクセルカメラを搭載。CPUにMarvell PXA 310(624MHz)、メモリは256MB Flash+128MB SDRAMを採用した。ストレージとして内部4GBが確保されているほか、microSDカードによる拡張も可能。Wi-Fiも搭載している。内蔵アプリケーションは、G1同等のAndroid OS標準のものが搭載される予定だ。通信方式はGSM/GPRS/EDGEに対応する。

物理的なキーボードは搭載せず、文字入力はソフトキーボードを利用

電話利用時の数字キー画面

背面には5メガピクセルカメラを搭載

側面にはカメラボタンやUSBポートなどを備える

最大の特徴はSIMカードが2枚同時に利用できるデュアルSIMカード端末であることだ。中国では多くのメーカーがデュアルSIMカード対応端末を発売しているが、スマートフォンではまだ珍しく、もちろんAndroid OSスマートフォンでは初となる。2つのSIMカードの同時待ち受けにも対応している。なお3G対応モデルの開発も進められているそうである。

SIMカードスロットを2つ搭載。DSTL1はGSMデュアルのみに対応

アプリケーションなどはT-Mobile G1とほぼ同等

DSTL1は、新興メーカー製ということで端末の質感などが気になるところ。しかしクリアー素材による本体前面の仕上げや背面の艶消し処理など、大手メーカーの製品と比べても遜色のない仕上がりになっている。操作ボタンの押し具合なども精度高く作られており操作性も問題は無かった。

同端末は、2009年第3四半期に発売する予定。欧米の大手通信事業者などから販売されるという。価格も未定だ。