Web Platform InstallerがWebアプリに対応
続いてMicrosoft Web Platformのアップデートへと移った。Microsoftは同社製品がWebプラットフォームとして採用されるように、(1)ツールやサーバなど個々で機能する製品の組み合わせがさらに大きな価値を生み出すように設計し、また(2) PHPやMySQLなどのオープンソース技術との統合を進めている。今回のアップデートは、この2つのポイントを押さえたものである。
まずWeb環境インストーラの最新版「Web Platform Installer 2.0」のベータ提供だ。Windowsサーバで利用できるWebアプリを集めた「Windows Web App Gallery」を用意し、ツール/ サーバ/ データベース/ フレームワークに加えて、Webアプリも同インストーラで管理できるようにした。
Web Platform Installerは、Web PlatformとWeb Applicationsの2つのタブがあり、Web Platformタブは、Webサーバ、フレームワーク&ランタイム、データベース、デベロッパ・ツールの4つに分かれている。デモでは、マシンをスキャンすると、この日リリースが発表された「ASP.NET Model View Controller(MVC) 1.0」がヒット。インストーラ内から詳細情報を確認でき、導入はボックスにチェックを入れてインストール・ボタンをクリックするだけだ。
次にWebブラウザでWeb App Galleryにアクセスし、Webアプリの説明や評価をブラウズした後に、DotNetNukeのインストールをクリックした。するとWebブラウザからWeb Platform Installerが起動し、インストール・プロセスへと進んだ。非常にシンプルだ。なおPHPが求められるPHPアプリケーションについても、PHP.NETコミュニティサイトから自動的にダウンロード/ インストールできるそうだ。
昨年PDCで発表されたAzureサービスプラットフォームについても、いくつかのアップデートが明らかにされた。まずFastCGIのサポートが追加され、.NETアプリケーションに加えてPHPアプリケーションの実行が可能になった。.NETアプリケーションはフルトラストにも対応する。またデータやアプリケーションを米国内の2個所のデータセンターにまたがってホストする環境を整える。これによりネットワークレイテンシの低減、パフォーマンスやサービスの信頼性の向上を実現する。
最後にスタートアップ支援プログラム「BizSpark」を利用した「Stack Overflow」が紹介された。プログラマの問題解決に集合知を利用するコミュニティサービスだ。プログラマの質問、それに対する答えがメンバー投票で評価され、コミュニティによってフィルターされた情報を、さらにコミュニティで編集していくWikipediaのような機能も備える。同サービスを開発したJeff Atwood氏とJoel Spolsky氏は「巨大なビジネスに成長させたくてStack Overflowを手がけたのではない。人々のためになるちょっとしたアイディアを実現したかっただけだ」と述べていた。だが「パフォーマンスも大事な機能である」と思うからBizSparkを利用したそうだ。