住宅金融支援機構(以下、機構)は、住宅ローンの団体信用生命保険や保証業務における顧客情報の一部が申告漏れとなり、その結果過徴収や過少請求などが生じていると発表した。

申告漏れがあったとされるのは、(1)住宅ローンの団体信用生命保険で変更手続きが行われた情報のうち返済期間 / 返済方法(元利均等返済、元金均等返済)の情報、(2)保証業務における返済期間の変更などの情報。現在把握できるすべてのデータ(現在返済中及び2005年度以降完済分)約400万件を調査した結果、申告漏れの可能性は2,399件に上るという。

申告漏れの影響により、団体信用生命保険の保険料では、現段階で329件が「過徴収の可能性あり」、721件が「過少請求の可能性あり」とされている。保険料の1件あたり平均過徴収額は6,000円程度で、過徴収総額は200万円程度。また、補償業務の補償料では、285件が「返還遅れの可能性あり」、1,064件が「請求漏れの可能性あり」。返還遅れの1件あたりの平均額は3,000円程度、返還遅れの総額は90万円程度とされている。請求漏れの1件あたりの平均額は3,000円程度、請求漏れの総額は300万円程度となる見込み。

現在返済中及び2005年度以降に完済した利用者については、保険料が過徴収・保証料が返還遅れとなっている場合、所定の口座へ振込みによる返金を実施。また、保険料・保証料が過少請求・請求漏れとなっている場合は、過少請求・請求漏れとなっている分については改めて請求しないとのこと。保険料については、2009年度の請求分も修正前の情報に基づき保険料を計算するとしている。その後の保険料が引き上がる利用者については、お詫びの文書を送付する。今後、機構でデータを確認できたものについて、1件ずつ書類を確認し調査を行うとしており、全利用者の精算の要否及び精算金額が確定するには6カ月程度かかる見込みだ。

ただし、2004年度以前に完済された利用者について、機構ではデータを削除しており「確認できない状態」。このため、利用者側から所定の資料を提出し、過徴収・返還遅れが確認された場合に限って返金される。なお、対象となる利用者は2000年12月以前に(1)返済期間を短縮した、(2)返済方法を元利均等返済から元金均等返済に変更した-場合に限るとのこと。

今後の対応について、機構は「返済期間や返済方法について、各システム間での整合を定期的に検証する仕組みを強化することにより、今後は、このような事態が起こらないよう、再発防止・管理体制の強化に努めてまいります」としている。