アップルは18日、iPhone / iPod touchに搭載されるOSの次期バージョン「iPhone OS 3.0」の仕様を公開した。iPhone OS 3.0のβ版を含む「iPhone SDK for iPhone OS 3.0 beta」は、iPhoneデベロッパプログラムに登録した開発者 (有償のStandard / Enterpriseプログラム登録メンバー) 向けに即日公開される。正式リリースは2009年夏を予定、iPhone / iPhone 3Gユーザは無償アップデートできるが、iPod touchユーザは有償 (9.95米ドル)。

iPhone OSの次期バージョン「iPhone OS 3.0」の仕様が公開、開発者向けのβプログラムがスタートした

iPhone OS 3.0では、100以上の新機能を搭載。すべてのアプリが文字列や画像のカット / コピー&ペーストと、ソフトウェアキーボードの水平使用をサポートする。iPhone 3Gでは、携帯電話間のショートメッセージなどに使用されるMMS (Multimedia Messaging Service) にも対応、オーディオや連絡先などのデータが送信可能になる。

同じOSレイヤーを備えるMac OS Xで実装済のデスクトップ検索機能「Spotlight」もサポート。ホームスクリーンで検索語を入力すると、目的のアプリケーションへと誘導される。検索機能は、メールクライアントの「Mail」など主要アプリにも搭載される。ほかにも、メモのMac / PCとの同期や、Bluetoothを経由したステレオ音声の転送、ボイスメモアプリの追加、無線LANアクセスポイントでの自動ログイン、本体を振ることでランダム再生するなどの新機能が用意される。

iPhone SDK for iPhone OS 3.0には、1,000以上の新しいAPIを搭載。アプリから直接App Store上のコンテンツを購入できる「In-App Purchases」をサポート、月刊誌のようなサブスクリプションサービスをApp Store上で展開しやすくなった。Bluetoothのサポートも強化、範囲内に存在する他のiPhone / iPod touchを自動検出してP2Pによる通信が可能になった。プッシュ型の通知機能「Apple Push Notificationサービス」により、音声や文字、バッジを使いユーザに対しアラートを発することもできる。新しいMaps APIを利用することで、アプリへのGoogle Mapsの埋め込みや現在位置の表示などを行うことも可能になる。