米Intelは3月16日 (現地時間)、2001年にAdvanced Micro Devices (AMD)と合意したクロスライセンス契約を「GLOBALFOUNDRIES」に適用するのは合意違反と、AMDに通知したことを明らかにした。AMDは01年合意に従ってx86互換プロセッサを製造してきたが、その製造部門を分社化したGLOBALFOUNDRIESがIntelからのライセンスを獲得できなければ、製造施設の分離によるスリム化という今後の青写真が不透明なものになる。Intelの通知を受けてAMDがSEC(証券取引委員会)に提出した書類によると、Intelが指摘する合意違反が60日以内に是正されなかった場合、クロスライセンス合意に基づいたライセンス供与を終結させるとIntelは主張しているという。

AMDは昨年10月、経営再建策の一環として、アブダビの政府系投資会社Advanced Technology Investment(ATIC)との合弁会社に半導体製造部門を移管する計画を発表。今年3月に米国のシリコンバレーに本社を置くGLOBALFOUNDRIESが発足した。CEOをAMDの製造事業担当シニアバイス・プレジデントだったDoug Grose氏、取締役会会長を元AMD CEOのHector Ruiz氏が務めている。

Intelによると、01年合意においてGLOBALFOUNDRIESは子会社と認められず、またAMDとATICの間の契約の機密部分が合意に反する可能性があるという。そのため関連する合意内容の公開をAMDに求めていたが、同社がこれを拒否。AMDによる合意違反と見なし、ライセンス契約の解消も視野に入れた対応に乗り出した。

「過去30年以上にわたって、知的財産はIntelのテクノロジー分野におけるリーダーシップの礎であり、その価値を適正にライセンスすることの戦略的な重要性をわれわれは認めてきた。しかしながらAMDがIntelの同意を得ることなく、一方的にIntelのライセンスの権利をサードパーティへと拡大するのは認められない」とIntelシニアバイスプレジデントのBruce Sewell氏。「昨年10月以来AMDと共に問題解決の糸口を探ってきたが、上手くまとまらなかった。われわれは解決策を見いだしたいと望んでいるが、その一方で知的財産への数十億ドル規模の投資を保護するという株主に対する義務もある」とコメントしている。

Intelは今回のAMDへの"通知"を「論争を和解に導くための試み」としているが、AMDはすぐにIntelの通知こそが合意違反であるという申し立てを行った。両社の見解が平行線をたどったままの状態が続いている。