ダイソンは13日、A4用紙とほぼ同じサイズのサイクロン方式の掃除機「DC26」を発表した。従来の「DC22」に比べて体積は6割になり、本体重量は約4.8kgから約3.3kgに軽量化されている。価格はオープンプライスで、推定市場価格は、クリーンエアタービンヘッドのみが付属したタービンヘッドエントリーが7万円台前半、ソフトブラシツール、フトンツール、フレシキブル隙間ノズルが追加されたタービンヘッドコンプリートが8万円台前半、クリーンエアタービンヘッドの代わりにモータヘッドが付属したモータヘッドコンプリートが8万円台後半。発売は4月10日を予定している。

日本市場向けに開発したと語るジェームズ・ダイソン氏

発表会では、ダイソン氏がDC22の中からDC26を取り出すという凝った演出で製品を披露した

発表会の会場では、同社製品の特徴であるサイクロンテクノロジーの開発者ジェームズ・ダイソン氏が自ら新製品を紹介。「HEPAフィルタを外した状態でタバコの煙を吸引しても排気される時はまったく出てきません。それだけ空気の流れがクリーンなのです。小型化のためにサイクロンの性能が落ちることはなく、逆に効率をアップしました」と説明。IEC(国際電気標準会議)のテスト結果を引き合いに出して、硬い床やカーペット、畳など、すべての種類の床に対してダイソンの製品が競合製品よりも性能が上であると語った。

DC22(写真左)と比べてDC26(写真右)がいかに性能を維持したまま小型軽量化を果たしたかを自ら解説

手前から、タービンヘッドエントリー、タービンヘッドコンプリート、モータヘッドコンプリート。色によって仕様が異なるのはいかにもダイソンらしい。ちなみにDC26はノイズ対策のためにデジタルモータ搭載モデルがなく、今回のラインアップには存在しない

ダイソン氏は最後に「今回の製品は、狭い住居が多い日本市場のために開発しました。しかし、海外の世帯も日本の状況を追いかけています。例えばニューヨークでは5年ごとにアパートのサイズが半分になると言われており、もうすぐ日本と同じになるかもしれません。そうしたら、ニューヨークでもDC26が売れるかもしれませんが、それはあくまでも副産物であり、日本向けの製品であることに代わりはありません」とDC26がダイソンのラインナップの中でも特別な存在であること強調した。

ポリカーボネイト製のクリアビンは従来とほぼ同じ構造だ。ただし、中に収まるルートサイクロンのコアは、コンパクト化のために2層構造となっている。そのため、3層構造だったDC22よりも若干だが分離能力が低下しており、モータ保護用のプレモータフィルタのクリーニング間隔が7年から2年に変更されている

本体の後ろにあるボタンを押すとタイヤが開いてプレモータフィルタが姿を現す。2年に1度水洗いするだけで半永久的に使用できる。バクテリアやカビの繁殖を防ぐHEPAフィルタが本体底面に収まっているが、こちらは交換だけでなく洗浄も不要だ

空気の流れでブラシを回転させる新型のクリーンエアタービンヘッドは、吸入口を押すだけでオフにすることができる。また、コインでサイドのフタを外してブラシを清掃することが可能。ブラシの軸には糸くずやペットの毛が絡まった時にハサミなどでカットしやすいように溝が掘られている

クリーンエアタービンヘッドは軽量伸縮式パイプ(左)を採用。モータヘッドは長さの調整はできないがコンパクトに収納ができる金属パイプのテレスコープシステム(右)となっている。そのため軽量伸縮式パイプは立てたまま保管し、テレスコープシステムはモータヘッドを取り外して本体後部に差し込みホースを本体に巻きつけて保管する

「競合製品はサイクロンであってもゴミがダストカップに溜まってくると実際には集塵率が落ち込みます。しかし、ダイソンの掃除機は製品の寿命が尽きるまで吸引力が変わることはありません」と自身を持って語るダイソン氏。日本市場にかける期待は大きい