--ユーザーのベネフィットはどこにありますか?

矢野 SSOというシンプルな利用環境になれば、管理コストは下がり、セキュリティの度合いが上がる。エンドユーザーのなかには、多くのパスワードを使っているため、覚えきれずにメモにとっていたり、パスワードを書いた「ポスト・イット」を画面の横に貼っていたりといったことがあるが、これが無くなります。

もうひとつ、GPLの観点からもメリットがある。GPLに準拠しているオープンソース環境では、どうしてもそれに定められた「法律」に従わざるを得ない。個人の場合は、自己責任ということで利用できるが、企業の場合には自己責任というわけにはいかない。それがLinuxを利用したくても踏み切れないひとつの要因になっています。今回のSSOソリューションは、それを開放し、安心感を提供することができる。プロトコルのプラットフォームは、Sambaに依存せず、マイクロソフトの協力を得て、スクラッチで開発したもの。言い方を変えれば、プロプラエティなプラットフォームとなるが、未来の変化を予測しきれないGPLの動き、グレーな環境で利用するという企業のリスクを考えれば、ユーザーにとってのベネフィットは大きいといえるのではないでしょうか。

当面のターゲットは、混在環境にありながら、管理に困っているユーザーとなります。Windows環境だけで利用しているユーザーに対してのLinuxソリューシヨンの提案は、その先の話になります。

加治佐 一般論として、オープンソースという場合には、ユーザーが品質面での問題意識を感じているはずです。しかし、今回のSSOソリューションは、適切な情報に基づいて、正しい実装をして、マイクロソフトとターボリナックスが共同で検証を行い、技術的にも立証されているものとなります。商用ソフトとしての品質を達成している点で、ユーザーに安心感を与えることができる。マイクロソフトは、知的財産をオープンにするという姿勢をとっていますが、今回の製品は、この知財を活用した成果でもあり、ユーザーは安心して、これを利用できます。矢野社長がいうように、混在環境において有効なツールと位置づけており、マイクロソフトとしては、100%Windows環境で利用している企業に対しては、Windowsのエコシステムのなかで、満足していただけるソリューションの提供を目指したいと思っています。