前回はLui PCリモーターサーバボードの接続方法や仕組み、機能を解説したが、今回は実用編だ。子機に相当するPCリモーターには無線LANが内蔵されているので、公衆無線LANがある場所では、遠隔操作が可能なのはもちろん、イー・モバイルの通信カードにも対応しているのが大きな魅力となっている。
Lui PCリモーターサーバボードを自作マシンに設置した場合、その最大の利点は子機に相当するPCリモーターで遠隔操作が可能になること、というのは前回解説したとおり。データの持ち運びならノートPCがあれば……と思うかもしれないが、「Lui」ならばいつも使っているPCのデータにアクセスできるのが大きな利点なのだ。
最近ではUSBメモリでデータを持ち運んでいる人が多いと思うが、USBメモリにデータをコピーしたつもりが入れ忘れた、そもそもUSBメモリを忘れてしまった……なんて失敗はよくある話。その点、PCリモーターならば、いつも使っている自宅PCにすぐアクセスして遠隔操作ができる。データを忘れるということを確実に防げる。加えて、大事なメールをすぐにチェックするといったことまでも可能なのだ。
しかし、そこで大きな問題となるのが、PCリモーターでLui PCリモーターサーバボードを取りつけた自作マシン(以下「自宅のPC」とする)を遠隔操作するには、インターネット環境が必要であることだ。外出先では、その環境をいかに手に入れるかが重要になる。
ひとつの選択肢は公衆無線LANの利用だ。PCリモーターには、無線LANが内蔵されているので、NTTドコモの「Mzone」、NTT東西の「フレッツ・スポット」、ソフトバンクの「BBモバイルポイント」といった公衆無線LANのサービスを利用すれば、快適に遠隔操作を行える。さらに、各種公衆無線LANサービス用のプロファイルがあらかじめ用意されており、一度設定すれば、アクセスポイントに入るたびにIDとパスワードをいちいち入力することなく利用できるのが便利だ。
とはいえ、無線LANのアクセスポイントは駅構内やカフェなどが中心で、どこにでもあるわけではない。その解決策といえるのが、イー・モバイルだ。ノート型のPCリモーター「Lui RN」はイー・モバイルのコンパクトフラッシュ型通信カード「D01NX」と「D01NX II」に対応しているのだ。D01NXは下り最大3.6Mbps、D01NX IIは下り最大7.2Mbpsの通信が可能となっている。設定は、Lui RNに通信カードを装着すると接続先として「イー・モバイル」の項目が表示されるので、それを選択するだけで完了と非常に簡単だ。
あとは、接続先の優先順位設定でイー・モバイルを先頭にすれば、自動的に通信カードで接続するようになる。また、通信カードを接続するとLui RNのメニュー画面に通信カードのアイコンが表示されるので、しっかりと認識されているのが確認できるのもありがたい。