図1 ノートン360 バージョン 3.0

シマンテックは6日、オールインワン型統合版セキュリティソフト、「ノートン360 バージョン 3.0」のダウンロード版販売を開始した(パッケージ版は19日より)。対応OSは、Windows XP(SP2以上)、Windows Vistaの各エディション(SP1/64bit版を含む)となる。CPUやメモリなどは、各OSが動作する環境が最小限のシステム要求となる。この他に、光学ドライブ、インターネット接続環境などが必要となる。

ダウンロード版の販売価格は次の通り(税込、パッケージ版はオープンプライス)。

  • ノートン360 標準パッケージ(3PC、オンラインストレージ2GB) 8,840円
  • ノートン360 2年版(3PC、オンラインストレージ2GB) 15,645円
  • ノートン360 スモールビジネスエディション5PC(オンラインストレージ10GB) 16,480円
  • ノートン360 プレミアエディション(3PC、オンラインストレージ25GB) 10,480円

本稿では、ノートン360 Ver.3.0の新機能を中心にその紹介をする。

より強化されたパフォーマンス

Ver.3.0では、徹底的なパフォーマンスの強化が行われた。シマンテックでは、「1×10×100」への挑戦と呼び、

  • インストール時間:1分以内(ビルド52では、56秒を達成)
  • メモリ消費量:アイドル時に10MB未満(ビルド52では、7.74MBを達成)
  • インストールサイズの縮小:110MB

を達成している。前バージョンでもメモリ消費量などはかなり抑えられていたが、より少ないメモリで動作するようになり、普段のPCの使用に影響を与えることが軽減されている。あわせて「ノートン・インサイト」ではスキャンを大幅に削減しており、快適さを損なうことがないように、最大限の配慮がなされておいる点も、ユーザーにとってはありがたい機能といえるであろう。

図2 ノートン360 Ver.3.0のメイン画面、動作も軽快であった

ノートンウェブセーフ

Ver.3.0の新機能でもひときわ注目の技術である。一言でいってしまえば、Webサイトの安全性を評価する機能である。2,000万人からなるノートンコミュニティウォッチのメンバーにより、疑わしいWebサイトを発見するとノートンに報告され、その評価を行う。評価項目には、シグネチャ(定義)ベースのスキャン、侵入検知エンジンなどを使用している。実際に、検索サイトでノートンウェブセーフを使用したものが、図3である。

図3 検索サイトでノートンウェブセーフを実行

検索結果に緑、黄色、赤で、その評価が表示される(もちろん、緑が安全、赤が危険となる)。非常にわかりやすい表示でWebサイトの安全性を把握できる。さらに、ショッピングサイトでは、合法的なサイトであるか、プライバシーの保護は行われているか、決済処理は安全か、といった項目が表示される(図4)。

図4 ショッピングセーフティ

さらに[詳細レポート]を選択すると、図5のように、ノートンの調査結果の詳細レポートが表示される。

図5 ノートンセーフウェブ詳細レポート

画面下には、検知された脅威レポートが具体的に記述されている。

より使いやすくなったバックアップ機能

Ver.3.0では、バックアップ画面がタブ式になり、使い勝手が向上している。複数のバックアップ設定を行うことができる(図6)。

図6 複数のバックアップ設定、ここでは[デフォルトセット]が選択されている

異なるバックアップセットを作成し、異なるバックアップ対象を設定し、異なるスケジュールでバックアップを行うことができる。個人データと業務データのバックアップをまったく異なる方法で行うこともできる。さらに、バックアップの対象をファイルの種類ごとに選択することもできる。図6で[対象]タブを選択すると、コンテンツごとにバックアップの指定を行うこともできる(図7)。

図7 バックアップ設定

各コンテンツの[拡張子編集する]では、さらに細かい設定が可能となる。

起動マネージャによるPCチューンナップ

ノートン360には、これまでもPCのチューンナップの機能が搭載されていた。ここでは新機能の「起動マネージャ」を紹介しよう。起動マネージャは、Windowsが起動時に同時起動するプログラムの管理を行う(図8)。

図8 起動マネージャ

Windowsでは、多くのプログラムが起動時に実行される。しかし、そのすべてが必要ということもない。不要なもの、後で起動してもよいものが存在する。それらを適切に設定することで、システムの起動を高速に行うことができる。シマンテックによれば、一例として、インターネットメッセンジャーの起動の延期することで、非常に効果があったとのことである。

その他の新機能

その他の新機能を紹介しよう。まずは、パルスアップデートである。これは、5分から15分で定義ファイルの更新を行うというものである。近年、ウイルスは亜種の出現が非常に早くなっている。他のセキュリティソフトにはない更新間隔で新たな脅威を防ぐことができる。診断レポートは、PCのさまざまな診断結果をわかりやすいレポートで表示する(図9)。

図9 診断レポート

診断レポートでは、システムやPCに対する推奨事項が表示される。ユーザーは、詳しい知識がなくても、この指示に従うだけでよい。つねにPCを最適で、より安全な状態に保つことができる。以上、駆け足で新機能を見てきたが、これら以外にもノートン360 バージョン 3.0には、多くの新機能が搭載されている。