QEMUプロジェクトは5日 (フランス時間)、PCエミュレーション / 仮想化ソフトの最新版「QEMU 0.10.0」をリリースした。サポートされるホストCPUはx86とx86_64、およびPowerPC。ゲストとして利用できるCPUはx86やARM、SPARC、MIPS / MIPS 64とm68k。ソースコードはGPLv2 / LGPLv2準拠のオープンソースソフトウェアとして公開される。
今回のリリースでは、JITコードジェネレータとして新たに「Tiny Code Generator (TCG)」を採用。特定バージョンのGCCに依存するという、従来のコードジェネレータ (dyngen) に見られた問題が解消され、移植性が向上している。Intel VT/AMD-Vの仮想化支援機能を利用し高速化を図るKVM (Kernel Virtual Machine) の正式サポートや、BSDユーザスペースのエミュレーション機能、複数のVNCクライアントの同時接続、PowerPCのAltivecコードをエミュレートする機能も追加されている。
QEMUは、マルチアーキテクチャ対応のPCエミュレータ。マシン全体をエミュレートする機能 (システムエミュレーション) と、LinuxおよびBSD系OSのユーザランド環境をエミュレートする機能 (ユーザーエミュレーション) を備えている。KVMが実装されたことにより、LinuxなどのOSで高速な仮想化ソフトとして利用することが可能になった。