野村総合研究所は5日、全国の男女1,000人を対象に実施した「自身の医療・健康状態に関するアンケート調査」結果を発表した。

1月に実施された同調査では、20歳以上の対象者のうち、自分の医療・健康状態の自己管理について「とても関心がある」が38.8%、「やや関心がある」が50.0%であり、合わせると約9割が「関心がある」と回答した。

自分の医療・健康状態の自己管理に関する関心(N=1,000) :野村総合研究所提供

続いて、今後の日本の医療について感じている不安について尋ねると、「特に不安は感じない」は11.9%に止まり、残りの9割近い人に不安要素を具体的に問うと、「救急医療」(55.5%)、「インフルエンザ等の大流行対策」(50.4%)、「国民皆保険制度の存続」(41.4%)等の不安を1回答者あたり平均4.46件も指摘があがった。政府が今後どのような領域に最も力を入れるべきかについては、「救急医療」(60.6%)、「国民皆保険制度の存続」(60.3%)、「小児救急医療」(52.8%)、「周産期医療」(49.9%)が多く挙げられた。国民のニーズは「がん医療」(30.6%)や「生活習慣病の治療」(19.1%)など特定の疾病の予防や治療・克服よりも、"緊急事態"に対する安心感が優先されているようだ。

医療への不安と力を入れてほしい領域(N=1,000、複数回答):野村総合研究所提供

負担(社会保険料・税金)と医療給付のあり方について意見を求めたところ、40.9%が「どちらともいえない、わからない」と明確な意思表示はなかった。しかし、「医療の水準が低下しても、負担ができるだけ増えないようにしてほしい」は16.4%なのに対して、「負担が増えても、医療を充実してほしい」が42.7%と、2倍以上の明らかな差が生じた。

負担と給付のあり方について(N=1,000) :野村総合研究所提供