2月15日、東京・秋葉原にて、佐藤ひろ美のニューアルバム「メリー! メリーゴーランド」の発売記念イベントが開催された。「メリー! メリーゴーランド」は、佐藤にとって通算5枚目のアルバムで、これまでの作品とはやや趣きが異なり、明るくポップなテイストが特徴となる1枚。会場にはたくさんのファンが集まり、佐藤が繰り広げる、トークやミニライブを堪能した。

ステージに登場した佐藤ひろ美

ステージに登場するや、「まさか5枚もアルバムが出せるほど歌手活動が続くとは思わなかった」と語る佐藤。「なぜメリーゴーランドなのか?」という問いかけに対して、「今回5枚目のアルバムを作るにあたって、収録する曲を集めたとき、けっこう明るい曲が多かったので、『ポップなアルバムになるなあ』なんて思っていました。そして、その"ポップ"をどのようにジャケットで表そうかと思ったときに、以前『太陽ノ紅響曲』のジャケットを撮影した際、カメラマンの方から『次はメリーゴーランドに乗せてみたい』って言われていたのを思い出して、『じゃあ、ジャケットはメリーゴーランドにして、曲もメリーゴーランドをテーマにした明るい楽曲にしよう』ってことになりました。なのでカメラマンさん発信です(笑)」といった裏話が披露された。

ジャケットの撮影は、世界一古いメリーゴーランドがある豊島園。首につけているチョーカーや衣装もスタッフによる手作りということで、「光の具合など、想像以上に素敵なジャケットに仕上がりました」(佐藤)。

今回のアルバム「メリー! メリーゴーランド」、「メリー」といえば羊だろうということで、広報担当は男女2人のメリー。今回のイベントには、2人のメリーがそろい踏みという予定だったが、女性のメリーちゃんが友だちの結婚式のために残念ながら欠席で、メリー君のみの登場となった。「かぶりものなので代役でも問題ないのに、あえて代役を立てないのがすばらしいですね(笑)」(佐藤)。

ということで、ステージに登場したメリー君だが、その正体はアルバムの表題曲である「メリー! メリーゴーランド」の作・編曲を担当したElements Gardenの菊田大介氏。ここからは、菊田氏を交えてのトークとなった。

ステージに登場したメリー君の正体は、Elements Gardenの菊田大介氏。ちなみに菊田氏の身長は188cmだが、「音楽にはまったく役立ってない(笑)」(佐藤)

「曲が全然できなくて、何も浮かばなくて、どうしたらいいんだろうってかなり悩みました」と語る菊田氏。「今までの佐藤さんの曲は、しっとりとしたちょっと暗い、ダークな路線が続いていたので、ここで明るい感じになるというところでまず迷ったし、それがタイアップではなく、佐藤さんのオリジナル曲ということでイメージがなかなか決まらなかった」という菊田氏に対して佐藤は「見ていて本当に可哀相になってくるんですよ。迷っている過程が見えて、非常に辛そうなのがわかるんです」。司会者に「辛そうといいながらも、かなりダメ出しをしていましたよね」と突っ込まれると「悪くはないんだけど、もっともっとちがうアプローチで、もっともっとチャレンジしてみようよ」という気持ちだったと語り、「2人で泣きながら、ぶつかりありながらの曲作りで、制作過程は涙あり、笑いありといった感じですが、こんなに可愛い曲ができてよかったです」と作品に対する自信をみせた。

今回のアルバムには新録曲として、「メリー! メリーゴーランド」のほかに、「Angelic Symphony - Humming ALive」と「MUSIC」が収録されている。「Angelic Symphony - Humming ALive」については、「とにかく楽しく歌って、コーラスも自分でやっています」とのこと。一方の「MUSIC」は西脇辰弥氏が作・編曲を担当しているが、西脇氏らしい、渋く、年輪を感じさせる曲に仕上がっており、菊田氏も曲を聴いて「やられたなって思いました」。なお、西脇氏曰く「エモーショナルロック」とのことだが、

西脇「今ヨーロッパで『エモーショナルロック』というのが流行っているんだけど、佐藤さん知ってる?」
佐藤「知らないです。どんなジャンルなんですか?」
西脇「俺も知らないんだよ、ははは」

といったやりとりがあり、「でも俺なりに思っているエモーショナルロックを作るんだ」といって作られたのが「MUSIC」だそうだ……。「最初の会話の意味がまったくないですね」(菊田氏)。

佐藤の今後の展開ということで、4月25日にワンマンライブが開催されることが発表された。イベントの時点ではライブ名が決まっておらず、「去年、忙しくてバースデーライブができなかったので、2009年だけどライブのタイトルは、『佐藤ひろ美 バースデーライブ2008!?』にしようかと思っているんですよ(笑)。それで『~遅れてごめんね』って付けようかなって」という発言もあったが、正式名称は「佐藤ひろ美満開ッ! SPRING LIVE 2009~GIRLS FEVER NIGHT~」に決まった模様。イベントの詳細については、佐藤ひろ美オフィシャルウェブサイト「ひろみねっと」などをチェックしてみてほしい。そのほか、3月20日に開催される「新人オーディション」の話などが語られた。

続いては来場者からの質問コーナー。ここではそのいくつかを紹介しよう。

――アルバムのジャケットの肌が綺麗でした。何か科学の力を使いましたか?
「ひどーい! 何もしてないですよね? まあ身体は18歳ってことにしておいてください。そういう設定で(笑)」

――ひろ美さんが遊園地に行ったときに必ず乗る乗り物は何ですか?
「ジェットコースターですね。絶叫系が大好きなので。会社の旅行でグアムに行ったときは、"逆バンジー"とかにも乗ったんですけど、ほかのみんなは逃げちゃいましたね」

「僕も絶叫系は大丈夫ですけど、あれはちょっと異常ですよね。あれはおかしいですよ」というのは菊田氏のコメント。

――14日はバレンタインデーでしたが、バレンタインデーの思い出はありますか? またチョコを渡す際の、ひろ美さんの理想のシチュエーションはありますか?
「思い出は本当にない女で……。理想のシチュエーションは"待ち伏せ"。待ち伏せをして、あこがれの先輩に渡して、駆け出していっちゃうのとかやってみたいですね。いまだにやってみたいです。理想ですね」

――4月25日のライブにかける意気込みや、こんなライブしたいという予定があったら教えてください
「本当に久しぶりのライブになりますが、今回はバンドを新しくそろえましてですね、ほとんど女の子なんです。ギターの一人は男性なんですが、ほとんど女子バンドです。最近マネージメントをしたり、お仕事で一緒になったりした女の子にもステージに出て歌ってもらうので、本当に女性だらけの華やかなライブになると思います。これまでは男くさい感じのゲストが多かったので(笑)、今年はガラリと変わった、『メリー! メリーゴーランド』のように、明るくポップな感じのライブになります」

質問コーナーの後は、お楽しみのライブコーナー。アルバムの新録曲である「メリー! メリーゴーランド」「MUSIC」「Angelic Symphony - Humming ALive」の3曲が披露された。「めっちゃバンドサウンドで、とても格好いい仕上がりになってます」という「Angelic Symphony - Humming ALive」では、観客も総立ちで声援を送り、およそ1時間のイベントは最後まで大盛り上がりで幕を閉じた。


タイトル メリー! メリーゴーランド
収録曲数 全15曲
佐藤ひろ美
発売日 2009年2月4日 (発売中) 品番 QECB-1001
価格 3,150円
発売元 ブロッコリー 販売元 キングレコード