既報の通り、アップルが3月3日に新世代となる「Mac Pro」を発表した。"Nehalem" Xeonの採用とシステムアーキテクチャの刷新により、前世代から約2倍のパフォーマンス向上を実現している。ラインナップは2.66GHz Xeonを1基搭載したクアッドコア・モデル(MB871J/A)と、2基搭載した8コア・モデル(MB535J/A)の2つで、価格はそれぞれ278,800円と358,800円となっている。近日中に出荷開始される予定だ。
新Mac Proのメモリ規格は、3チャンネルの1066MHz DDR3 ECC SDRAM。標準構成でクアッドコア・モデルが3GB(1GB×3)、8コア・モデルが6GB(1GB×6)を搭載する。拡張スロットはPCI Express 2.0×1とPCI Express×2の計3基。640GBのシリアルATA HDD(7200rpm)、グラフィックスカードにNVIDIA GeForce GT 120 (512MB)、2層記録対応の18倍速SuperDrive、Bluetooth 2.1+EDRなどを搭載する。外部拡張ポートは、USB 2.0×5基、FireWire 800×4基。光デジタルオーディオ入出力ポートとアナログオーディオ入出力ポート、Gigabit Ethernetポート×2などを備える。
BTOオプションとして2.93GHzのXeonプロセッサ、プロセッサのデュアル構成、最大8GBのDDR3メモリ(クアッドコア・モデル)、最大16GB DDR3メモリ(8コア・モデル)、512MB GDDR5メモリ搭載ATI Radeon HD 4870グラフィックスカード、AirMac Extreme 802.11nカードなどを選択できる。
45nmルールで製造されたNehalem世代のクアッドコアXeonは、Hyper-Threading技術によりコアあたり2スレッドの同時実行が可能だ。8MBの共有L3キャッシュを装備、内蔵メモリーコントローラと1066MHzのDDR3 ECCメモリとの組み合わせでメモリーレイテンシが大幅に短縮される。またQuickPath InterconnectというCPU間を高速接続する新しいシリアルバス技術が採用されている。アップルの報告によると2.93GHzの8コア・モデルは、前世代の3.2GHz 8コア・モデルからメモリースループットが最大2.4倍も向上した。ほかにもワークロードに応じてダイナミックにCPUの動作周波数を引き上げるTurbo Boostなどにより、ハードウエア性能の目安となるSPECfpratebase2006で1.9倍の数値を記録したという。
外観に大きな変更はないが、内部設計が一新され、拡張性がさらに向上した。PCI Expressスロットには、サイドパネルを外すだけでアクセス可能。さらにプロセッサ・トレイを外してメモリー、ハードドライブ・トレイを通じてHDDを追加できる。
OSはMac OS X 10.5 Leopardで、BTOモデルではサーバ版のMac OS X Server 10.5を選択することも可能。iLife ’09がプリインストールされる。
なお新Mac ProはMini DisplayPortとDVIポートの両方を装備しており、24インチApple LED Cinema Display、30インチApple Cinema HD Display、DVI入力ポートを備えるディスプレイをそのまま接続できる。
■仕様 | ||
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クアッドコアMac Pro | 8コアMac Pro | |
Intel Xeon 5500(2.66GHz)×1 | Intel Xeon 5500(2.66GHz)×2 | |
3GB 1,066MHz DDR3 ECC SDRAM(最大8GB) | 6GB 1,066MHz DDR3 ECC SDRAM(最大32GB) | |
NVIDIA GeForce GT 120(512MB GDDR3) | ||
640GB SATA HDD(7,200rpm) | ||
DVDスーパーマルチドライブ | ||
Mini DisplayPort、DVIポート、Bluetooth 2.1+EDR、USB 2.0×5、FireWire 800×4。光デジタルオーディオ入出力ポート(Toslink)、アナログオーディオ入出力ポート | ||
PCI Express 2.0 ×16(1)、PCI Express ×4(2) | ||
W206×H511×D475mm/18.1kg | W206×H511×D475mm/18.7kg | |
Mac OS X 10.5 Leopard | ||
278,800円 | 358,800円 |