2月25日、マイクロソフト新宿本社小田急サザンタワーにおいて、「第二回 IT Security Award 2009」の授賞式が開催された。今回は、総参加者2,750人中全問正解したAWARD受賞者829人がこの賞を受賞した。今回の受賞の内訳は監督賞が337人、主援賞が229人、作品賞が263人になる。会場では、受賞者代表者として監督賞ITマネージャー部門、陽遊美由紀さん、主援賞ITエンジニア部門 伊藤秀行さん、作品賞ITエンジニア部門 池上巌さんの3名が表彰された。
成績優秀者、Winnerとして監督賞ITマネージャー部門 愛甲浩史さん、主援賞ITエンジニア部門 竹島賢司さん、作品賞ITエンジニア部門三浦和彦さん、審査員特別賞 小林エミさんが選ばれ、マイクロソフトの大場氏より賞状とトロフィーが贈呈された。
「IT Security Award」の意義
「IT Security Award」は政府が進める「みんなで『情報セキュリティ』強化宣言!」の関連活動のひとつで、マイクロソフトがセキュリティの啓蒙のため去年より行っているクイズ形式のWebイベント。ITエンジニア、開発者向けの複数の問題を出題し、その回答を通して広くセキュリティ意識の認知と実践を促すことを目的としている。全問正解を果たした参加者にAWARDとして特製賞状が贈呈される。また、その中でも優秀な回答者には"Winner"としてアカデミー賞で贈呈されるオスカー像と台座以外が同じアールシーオーディエンス社製、24金の"像"が贈呈される。
受賞式において、マイクロソフト高橋正和氏は世界のマルウェアは毎年20%づつ増加しているが、そんな中でも日本での感染率は世界で一番低いと報告し、ITエンジニアの日頃の業務がこのような数字に反映されてきていると報告。また、同社を含めたセキュリティ啓蒙活動が浸透してきているとし、今までは低かったセキュリティエンジニアの評価をできるだけ向上させる役割のひとつとして「IT Security Award」の意義を強調した。
マイクロソフト チーフセキュリティアドバイザー 高橋正和氏 |
今回の受賞者
今回は、それぞれ監督賞と主援賞、作品賞の三賞が設けられた。監督賞は、ITマネジャーを対象にした賞で、セキュリティマネージメントに関する知識を問うもの。主援賞は、現場のIT部門の人間が対象で、主にセキュリティ商品や、技術、セキュリティに関する専門知識を問うもの。作品賞は、ソフトウェアやWeb開発者を対象にしたもので、ソフトウェア・Webの開発に関するセキュリティ知識を問うもの。受賞者は、829名の代表者として、3名が会場で賞状を授与された。
アワード受賞者代表
監督賞ITマネージャー部門 陽遊美由紀さん |
主援賞ITエンジニア部門 伊藤秀行さん |
作品賞ITエンジニア部門 池上巌さん |
また、その中でも成績が優秀だった者として3名が特別に"Winner"として賞状に加えて24金のオスカー像を贈呈された。
アワードWinner受賞者
監督賞ITマネージャー部門 愛甲浩史さん |
主援賞ITエンジニア部門 竹島賢司さん |
作品賞ITエンジニア部門 三浦和彦さん |
上記賞とは別に、審査員側がその活動を評価し、特別に表彰する審査員特別賞には、小林エミさんが受賞。Winnerと同じく賞状とオスカー像が贈呈された。小林さんは現在行っているボランティア活動が評価されたもの。
審査員特別賞
マイクロソフトのセキュリティに対する姿勢
今回の賞について、マイクロソフトの大場氏は自身が過去に銀行のシステム開発者をしていた経験から「日々必死に働くが、それでも、システムが止まると新聞を飾ってしまう。そんな、プレッシャーの中で日々仕事をしていた。にもかかわらず仕事の評価はあまり高くなかった。このような形で表彰されるようになり時代も変わったと印象を受けた。」としセキュリティエンジニアが今まで評価されてこなかった現状を指摘しつつ、それが変わりつつあるという現状を語った。
また、「マイクロソフトはプラットフォームを提供しているが、それを実際に運用するのはITエンジニアであり開発者」と語りIT開発者やエンジニア達を支援していくことが、最終的な自社製品の普及とセキュリティのレベルアップにつながることを語り、その延長線としてITエンジニア向けの技術情報サイト「Power to the PRO」や開発者向けサイト「msdn」、「TechNet」の充実を図っていくとした。
具体的には、今までは情報にアクセスを簡単にするため同社提供のLive Searchでの検索に対応したり、深いディレクトリまで探さなくても必要な情報にアクセスするための様々な工夫、それぞれのWebページをより扱いやすい形にリニューアル、そして、新規に追加された9,000ページの日本語化された技術情報など。近々リリースされるWindows 7やIE8に関する技術情報も充実させていきたいと語った。
受賞者のコメント
今回の「IT Security Award 2009」受賞者のWinnerの方々に日々のセキュリティに関する心構えを聞いてみた。
監督賞ITマネージャー部門 Winner 愛甲浩史さん
「われわれエンジニアは、ある程度テクニカルな面は自力で把握できるよう努力しているものですが、侵害する側もやはり日々発展していくものです。ですから、なるべく最新の情報を入手すること日々考えて定期的に情報をチェックするように心掛けています。後、セキュリティといいましても難しい話になりがちなんですが一番気にしなければならないのは必要な情報と必要な対応を常に把握しておくことです。」
主援賞ITエンジニア部門 Winner 竹島賢司さん
「社内ではWindowsアップデートやセキュリティ対策ソフトを常に最新の状態にしておくのが基本。後は考え出したらきりがないが、とにかく基本をやっていれば最悪の被害は防げます。会社でセキュリティ対策をやっていたときはマイクロソフトのセキュリティ関連のWebページは欠かさず見ていました。」
ITエンジニア部門 Winner 三浦和彦さん
「とりあえず、社内ではWindowsアップデートは絶対自動更新。ISMSに入っている場合は必須です。セキュリティを自分で設定してもISMSは設定すれば設定するほどどんどん厳しくなってきます。」
審査員特別賞 小林エミさん
「とにかくパソコンの状態はよく観察しています。自分のパソコンなので今日はいつもと速さが違うとかちょっとキーの感じが違うとか、ここでひょっとしたら重くなったりとか、変な動作があるとか、そういった状況がある場合は、セキュリティソフトをかけています。メールなども変なメールは開かないといった初歩的なことを大事にしています。」