アメリカン・インターナショナル・グループ・インク(以下、AIG)は2日、米国財務省と連邦準備制度理事会(FRB)との間で、新たな公的支援策を受けることで合意にいたったと発表した。同手続きに伴う優先株式等の発行額などについては、今後AIGとNY連銀の間で決められる。

今回の合意により米財務省は、AIGに対して最大300億ドルの資金調達を行なうことを可能とする5年間の資本増強枠を供与する。その他、ニューヨーク連邦準備銀行(FRBNY)からの優先担保借入残高(最大260億ドル)削減、FRBNYからの借入コスト軽減(1年当り推定10億ドル)、FRBNYの借入枠の維持(250億ドル)なども決められた。

これを受け、日本で生命保険事業などを展開するアリコ(American Life Insurance Company)は、ニューヨーク連邦準備銀行(NY連銀)に譲渡され、優先株式を新たに保有する形で運営されることになった。なお、AIGによって既に株式譲渡の交渉が進められているAIGスター生命保険、AIGエジソン生命保険については、引続き譲渡プロセスを継続する予定。また、日本で損害保険事業を展開するAIU保険会社、アメリカンホーム保険会社についてはAIGのグループ企業としての業務を継続するが「AIGはグループ内の損保事業を再編し、米国内損保事業と米国外損保事業を新たに設立する持ち株会社の傘下に置く予定」としている。

アリコは公式サイト上にて「弊社は日本の保険業法に基づき、金融庁の監督のもとで保険業務を営んでおり、株主の変更等によるお客様のご契約の変更はございません。また、保険金・給付金等をお支払いするための原資は保険業法に基づき責任準備金として適正に積み立てておりますので、お客様への保険金・給付金等のお支払いに支障はございません。」と説明している。