北島康介

アテネ五輪・北京五輪と2大会連続金メダリストの北島康介(日本コカ・コーラ)は1日、ベネッセコーポレーションの小学6年生~中学3年生を対象としたイベント「独立せよ、中学生。1day合宿プログラム 北島康介、独立のススメ」に登壇。100人の子供たちと触れ合いながら、北島は「日本卒業」という4文字を書き入れたボードを掲げ、海外へ渡る決意を明らかにした。

「日本卒業」という言葉の意味について北島は、「海外でもう1回自分を見つめ直し、新たな発見を経験したい」と語り、その渡航先がアメリカであることを明らかにした。

「海外選手との交流などで日本との違いを感じてみたり、違った自分を探しに、ひとりの北島として新しい環境で新しいことに取り組みたい。トレーニングを学びに行くという感じではない」と北島。渡米の時期やアメリカのどこへ行くかなどには明言を避けた。

北京五輪後の休養期間を経た今、復帰への思いは強くなってきたという北島。「ヨーロッパのレースとか、ワールドカップとか、向こう(海外)の試合に出るかもしれない」(同)。

単身渡米を宣言した北島に、イベントに参加した子供たちは多彩な質問を投げかけた。「プロとアマの違いは?」という質問に北島は、「やっぱり全部自分の責任だということかな。もっともっと水泳が注目されて、世界で活躍できるスポーツとしての水泳の存在を自分で証明したかったからプロになった。そして『水泳選手になりたい』という子供たちがどんどん出てくれればいいなと」と語った。

(左) 子供たちに好きな女性のタイプを聞かれ、「同じことで笑えたり感動したり、そういういっしょの感覚を持っている人がいい」と北島(上)会場の100人の子どもたち。それぞれ、真剣に"宣言"をボードに書き込む

また、北島が子供たちに何度も伝えていた言葉が「積み重ね」だ。「なりたい自分になるためには?」という子供の問いには、「それに向かって毎日積み重ねることがすごく大事。失敗することは考えず、成功することを考える。前向きに考えること」と教えた。

北島が「日本卒業」と宣言したように、100人の子供たちもそれぞれに自分への宣言をボードに書き入れた。北島は、彼らの宣言すべてに目を通し、「がんばってね」と声をかけていた。

北島のほかに、国際ジャーナリスト・明治大学教授の蟹瀬誠一氏(右)や、元競泳自由形日本記録保持者の細川大輔氏(左)なども登壇した。「夢を持って挑戦する気持ちを忘れず、自分の力で人生を切り開いてほしい」(北島)