話題の超小型ノート「VAIO type P」のワイヤレスWAN(WWAN)モデルが発売開始された。最大7.2Mbpsの高速通信をいつでもどこでも利用できるほか、GPS機能も標準装備。加えて、街歩きを便利にする機能が満載されている。ここでは、その魅力を紹介していこう。
評価機の主な仕様 [CPU] Intel Atom Z540(1.86GHz) [チップセット] Intel US15WW [メモリ] 2GB [SSD] 128GB [ディスプレイ] 8型ワイド(1,600×768ドット) [サイズ] 約W245×D120×H19.8mm [OS] Windows Vista Home Basic [直販価格] 149,800円から
より高速なCPUを選べるVAIO・OWNER・MADEモデル
WWANやGPSについて語る前に、VAIO type PのOWNER・MADEモデルについて少し触れておこう。VAIO type Pは、現在、店頭モデルとは別に、ソニーの直販サイト「ソニースタイル」でのみ購入できるVAIO・OWNER・MADEモデルが用意されている。店頭モデルの場合、CPUはAtom Z520、ストレージは60GBの1.8インチHDDとなっており、それ以外の選択肢はない。しかし、VAIO・OWNER・MADEモデルでは、より高速なCPUとSSDを選択することができる。
今回は、評価機としてAtom Z540(1.86GHz)と128GBのSSDという、現段階で最高スペックのtype Pをお借りすることができた。店頭モデルでも、Windows Vistaを若干チューンアップすれば日常的な作業はそれほどストレスを感じなかったが、Atom Z540とSSDの組み合わせでは体感できるほど軽快さが向上する。とくに、アプリ起動時の待たされる感じがかなり低減する。ただし、その分ボディが熱くなりやすい印象も受けた。一定以上の熱さにはならないため、熱暴走などの心配は必要なさそうだが、同じ作業をしていてもボディが熱くなるまでの時間がZ520より少し速いという感じだ。
なお、type Pはファンレスということもあって、SSDの場合は駆動音が完全にゼロになる。HDDの場合もアクセス音が小さいため、駆動音が気になることはあまりなかったが、完全な無音はそれとはまったくの別世界。そのため、少しでも快適さを得たいというならば、VAIO・OWNER・MADEモデルで高速CPUとSSDを選んだ方が後悔はしないだろう。
どこでもつながるWWANの便利さ
type PのWWANモデルは、NTTドコモの回線にのみ対応しているため、使用するにはドコモとの契約が必要になる。回線速度は受信最大7.2Mbpsで、特別回線が込み合っているということでなければADSL程度の体感速度は十分得られる。
WWAN自体は、普通のノートPCでも、携帯キャリアから発売されている通信カードなどを使えば利用できる。しかし、その場合は通信カードをPCに装着する手間が増えてしまう。たいした手間ではないと思うかもしれないが、出先でネットにつなげる際は、その一瞬の手間が結構わずらわしく感じるものだ。
type PのWWANモデルの場合は、バッテリ室にあるスロットにFOMAカードを入れておけば、いつでもどこでも7.2Mbpsの高速回線を利用できるのが非常に便利。WWANのアンテナが内蔵のため、傍目から見てスマートなのもうれしい。アンテナ内蔵といっても、受信感度は十分考慮されているようで、USB接続タイプのデータ通信端末と比べても受信しづらいということはなかった。
なお、type PのWWANモデルには、ワイヤレスLANとの同時利用ができないという制限がある。ワイヤレスLANを使っていてWWANに切り替えたいときは、プリインストールされている「VAIO Smart Network」で接続先を変更しなければならない。接続先はワンクリックで変更できるため手間自体はほとんどかからないが、無線LANエリアからエリア外に出るときなどは若干不便。駅構内の無線LANスポットを使う場合など、無線LANとWWANをシームレスに切り替えて使いたい場合もあるので、やはり同時使用ができた方が便利だろう。