Mobile World CongressでのSony Ericssonブース

Sony Ericssonは、15日に発表したWalkman携帯の最新機種「W995」などをMobile World Congressの同社ブースで展示した。今年5~6月の発売を予定しており、価格は現行のWalkmanシリーズのハイエンド機種並みになる模様(なお、日本での発売予定はない)。5番刻みの3ケタ型番としては最大の番号が製品名に与えられていることからも分かるように、Walkmanシリーズとしては最も多くの機能を持った機種となっている。

高機能ながら本体はコンパクトにまとまっており、従来のスライド型Walkmanシリーズと比べて遜色ないサイズ(97×49×15mm、113g)。側面に再生/一時停止、巻戻し、早送りの専用キーを搭載したほか、上部には3.5mmヘッドフォンジャックを備え、好きな音楽用ヘッドフォンを自由に選んで使うことができるなど、音楽に特化した機種らしいボディとなっている。

Walkmanシリーズの最高峰となる「W995」。液晶ディスプレイは2.6インチQVGA(240×320)

音楽再生コントロール用の専用キーを搭載

専用アクセサリ端子以外のヘッドフォンも自由に使える

音楽だけでなく動画の再生にも重点を置いており、プリインストールされている専用アプリを通じてYouTube動画の再生が可能。HSDPAに加え無線LANにも対応しているので、アクセスポイントのある場所ではYouTubeをさらに快適に利用できる。また、背面のクリップ状のパーツは動画再生時などに本体を立てるスタンドとしても使える。カメラもオートフォーカス・顔認識機能付きの810万画素と、Walkmanシリーズとしては最もハイスペックなものを搭載している。

メディア再生機能のひとつとしてYouTube専用アプリが統合されている

背面のクリップをスタンドとしても使える

カメラも810万画素とハイスペックだ

GPS機能を搭載しており、Google Mapsの利用や位置情報付きの画像撮影なども可能。そのほかDLNAにも対応し、他のメディアプレイヤー等との連携動作も考えられている。内蔵ストレージ領域は118MBだが、8GBのMemory Stick Micro(M2)が同梱される。ネットワークはGSMクアッドバンドとW-CDMA/HSPAに対応し、W-CDMAの対応バンドによって「W995」(900/2100バンド対応)と「W995a」(850/1900/2100バンド対応、北米市場向け)の2モデルが用意される。カラーバリエーションはProgressive Black、Cosmic Silver、Energetic Redの3色。

PCとの間でメディアファイルを同期/自動変換する「Media Go」

W995に合わせて、新しいPC用ソフト「Media Go」が発表された。PCと携帯電話でいつでも同じメディアファイルを楽しめるようにすることを目的としたソフトで、PC内にある音楽、動画、画像といったファイルを携帯電話との間で自動的に同期する。高解像度の動画などは、携帯電話での再生に適した形式に自動変換されるのが特徴だ。また、携帯電話からPCの方向でも同期は行われ、内蔵カメラで撮影した画像や、Sony Ericssonのコンテンツ配信サービス「PlayNow」を通じて携帯電話単体でダウンロードしたコンテンツはPC側へ送られる。なお、現在のところ携帯電話のネットワークを利用した同期は考えられておらず、あくまでPCと直接接続した際に同期が行われる仕組みとなっている。

メディア管理ソフトとしては比較的オーソドックスなデザインの「Media Go」。ファイルの同期、プレイリストの同期、携帯電話向けの自動フォーマット変換、楽曲の内容を解析してどのようなムードの曲調かをチャート表示する「SensMe」などの機能を備える。ちなみに、展示機をよく見ると明らかに日本で撮影した画像も含まれているが、東京のSony Ericssonでも開発を担当した部分があるためだという

同種のサービスは日本の携帯電話でもすでに実現されているが、Sony Ericssonの場合、一部の国で昨年スタートした新サイト「PlayNow Arena」でDRMフリーのコンテンツ配信を行っている。また、Media GoはPCと携帯電話の間で完結するサービスではなく、将来的にはSony製のテレビや、PLAYSTATION 3のようなゲーム機などとも連携していくことを視野に入れているという。

実体としてはWebにアクセスしている形だが、「PlayNow Arena」もメニュー内に統合されており、Media Goの画面から直接音楽や動画の購入が可能

これはMedia Goとは直接関係ないが、シンガポールとメキシコのSony Ericssonショップで既に稼働しているという音楽配信ステーション。同社の端末を直接接続するか、メモリースティック(M2)を差し込んで音楽をダウンロードする。支払いはリチャージ可能なプリペイドカードで行う

Mobile World Congress開幕前に発表されたタッチ携帯のハイエンドモデル「Idou(アイドゥ)」のプロトタイプも展示。オートデモが流れるのみで、操作することはできなかった