市場調査会社のインテージはこのほど、医療費控除申告に役立つ機能を備えたヘルスケア家計簿サイト「ハイジアス」の実証実験を開始した。次世代の情報検索・解析技術の実用化を目指す経済産業省の委託事業「情報大航海プロジェクト」の一環となる本サイトは、同社の持つSNS家計簿サイト「散財.com」をベースに開発されている。

ハイジアスのメイン画面。医療費の概算が随時表示され、医療費控除が必要か否かの参考にできる

同サイトは、利用者の負担となっていた情報の入力、分類、申請書作成の全工程において、ユーザーの負荷を軽減することを目的として作られている。医薬品購入情報の入力と控除対象アイテム抽出の自動化、明細書出力のため新たに実装された機能は以下の三点。

  • カメラ付き携帯電話でバーコードを読み込みメール送信することで、デジタルレシートの生成と「ハイジアス」への自動データ取り込みが行える機能
  • 国税庁ホームページなど医療費控除のQ&Aを参考に構築された控除対象アイテムの仕訳機能。商品のジャンル・カテゴリ、商品コードを参考に自動的に分類される
  • 医療費控除申請を行うときに利用できる医療費控除明細の出力サポート機能

家計簿編集画面。医療費以外の情報もまとめ、普段は家計簿として利用できる

デジタル領収書の画面。こうした情報を自動登録できる

医療控除明細書の編集画面。控除申請時に利用する

今回の実験サイトは、デジタル領収書の連携と新規会員受付を2月27日に停止し、サイトもいったん3月末でクローズされるが、「多方面から高い関心が寄せられ、実験の中間結果にも手ごたえを感じています。来年度の情報大航海プロジェクトにも引き続き採択されれば、2009度内の本サービススタートの目途をつけ、来年の確定申告には多くの皆様にご利用いただける新サービスの提供を目指しています」と同社。自営業者のみならず、多くの家庭が対象となる医療費控除の申請。そのシステムの煩雑さを軽減するサービスに高い期待が寄せられる。