北乃は本作について、「私と同世代の人たちにとっては、こういう恋愛をしてみたいと思える映画。自分の恋愛観と違うところもあって、少女漫画を読んでいるような気分でした」

『愛していると言ってくれ』『ロングバケーション』『ビューティフルライフ』など、大ヒットドラマを次々に送り出した脚本家・北川悦吏子氏が映画監督に初挑戦。北乃きい、岡田将生、溝端淳平らを起用した『ハルフウェイ』が21日に公開初日を迎え、東京・渋谷で舞台挨拶が行われた。

北海道の小樽を舞台に、高校生のヒロ(北乃)とシュウ(岡田)の恋を描いた本作。撮影においては、アドリブを多用するスタイルを取り入れたそう。「アドリブが多くて戸惑いもあったけど、苦労よりも楽しかった思い出のほうが大きいです」と北乃。また、撮影はキャスト、スタッフともに少人数で行われたそうで、「すごくアットホームな雰囲気で、本当の家族みたいな感覚になることもありました」とのこと。

一方、岡田は撮影中のエピソードについて、「現場では淳平君が関西弁で話してたんですよ。それがかっこいいなと思って。僕の役も関西弁で話すようにお願いしたけど、やっぱりダメでしたね(笑)」。そのコメントを受け、北川監督が「溝端君って関西出身……じゃないですよね?」と質問すると、会場から笑いが。「何で関西弁が話せるんだろうと、ずっと思ってたんですよ。ご出身は和歌山じゃなかったですか?」と、監督から意外な"天然ボケ"発言が飛び出すと、「えー!! 和歌山も関西ですよ。大阪の下なんで」と溝端も思わず苦笑い。ちなみに彼の関西弁での演技は、現場で急遽決まったそう。「北海道が舞台の映画なのに、いきなり関西弁になっちゃっていいの? と驚いたけど、すごくやりやすかったです」。

「将生ともこの映画で仲良くなれた」と溝端に言われるも、「全然仲良くないですよ(笑)」と岡田。だが溝端に、「こいつ(岡田)は照れ屋だから」と返され、思わず苦笑いする場面も

溝端は、「北川監督と岩井さんとお会いするのは1年2カ月ぶりだし、きいちゃんとも半年ぶりの再会です。将生とは1週間ぶりなんですけど(笑)、すごく嬉しいです」

MCから、「主人公の2人はどんな大人になると思うか?」と尋ねられると、「ヒロは無邪気さがまだ残っているし、少女の心を忘れずに生きていくと思います。大人になったら北川監督のような女性になっているんじゃないかな」(北乃)、「シュウも、そんなに大胆には変わらないんじゃないかと思います」(岡田)との答えが。

その後、本作の続編について話が及ぶと、「続編はないです」と北川監督は即答。「じつはドラマでも、続編は一度も書いたことがないんです。この映画も成長物語ではなくて、青春の中の一番きれいな瞬間を切り取りたいと思って作りました。皆さんの記憶に鮮明に残っているのも、きっとそういうものではないかと思ったので」と、ストーリーに対する独自のこだわりを語る場面もあった。

最後は出演者ら5人でフォトセッション。写真左から北川悦吏子監督、岡田将生、北乃きい、溝端淳平、岩井俊二氏

『ハルフウェイ』は、ヒューマントラストシネマ、シネカノン有楽町2丁目、新宿バルト9ほか全国ロードショー中。

北乃きい・岡田将生フォトコレクション