NPO法人日本ブレインヘルス協会はこのほど、脳の健康に関する意識調査を行い、その結果を発表した。気になる病気に関する意識調査の結果、認知症はがんに次いで2番目に注目されているという。65歳以上の7.5%が発症し、高齢者の約2割が認知症予備軍ともいわれている中、調査では脳の健康に関する意識を様々な角度から探った。調査は2009年初頭に、40代・50代・60代の男女各100名ずつ計600名を対象に実施された。
まず、認知症に対して自分がいつなるかなどの不安や恐怖を感じるかと聞くと、42.7%が「わりと感じる」と回答し、「非常に感じる」の7%と合わせると約半数の49.7%が何らかの不安を感じていることがわかった。一方、「あまり感じない」は45.7%、「まったく感じない」は4.7%だった。
続いて、日常生活において脳の健康を保つための対策をしてるかと尋ねたところ、8割近くが「まったくしていない」「あまりしていない」と答えた。理由には「どうしたらいいのかわからない」「効果があるかはっきりしない」を挙げており、脳の健康維持対策に関する知識がないことが判明した。また、脳トレなど脳関連のアイテムを持っているか、または買った事があるかを聞くと、過半数の48.5%「ない」と回答したのに対し、24.5%が「ある」、27.0%が「今は持っていないが興味はある」と答えた。2人に1人は日常生活の中に何らかの脳の健康対策を取り入れようとする意思を持っていることが分かった。
脳にいいイメージの食品は何かを聞くと、87.3%が「魚」と回答した一方で「肉」は8.3%に止まった。しかし、杏林大学医学部精神神経科教授の古賀良彦氏によると、肉には脳の活性化に欠かせない成分の必須脂肪酸「アラキドン酸」が含まれているため、肉を敬遠しがちな高齢者も魚と肉の両方をバランスよく摂取する必要があるとしている。