日本ヒルズ・コルゲートは17日、ペットの食生活と健康に関するプレスセミナーを行った。同社の報告によると、加齢変化を起こす遺伝子をコントロールする栄養素によって、高齢のペットの健康状態を、若く健康な成犬に近づけることができるという。
従来の高齢用のペットフードの多くは、カロリーを抑えたり、消化を良くするなど、「高齢」にあわせた仕様になっているものがほとんど。一方、同社は、健康状態に関係する特定の遺伝子の発現に対して、栄養素がどのように影響するかを科学する「遺伝子栄養学(ニュートリゲノミクス)」のテクノロジーに着目し、高齢ペット向けのペットフードの研究・開発を進めてきた。
遺伝子栄養学の立場から加齢現象を見ると、関節等の炎症や、筋肉の衰えに関連する遺伝子発現が見られるなど、若成体の遺伝子発現と比較して、およそ900の違いがあることがわかったという。
同社は、この違いを減少させるために、高齢変化を起こす遺伝子を操作する栄養素を特定。特定された栄養素に基づいて、高齢犬用フードの栄養組成をデザインしたとしている。開発したフードを10歳の高齢犬に対し試用したところ、炎症を起こすなどのマイナス要素を引き起こす遺伝子の発現を抑えるなど、仕様前と比べて、およそ1,200の発現状態に変化があり、若成犬の遺伝子発現状態に近づいたとのこと 。
高齢の犬や猫の日々の体力の衰えが、目に見えて著しく感じるというのは、ペットオーナー達からよく聞く話。加齢の影響をゼロにできるわけではないが、ペットが美味しく食べて、長く元気に過せるフードの開発は、大切な家族(ペット)と暮らすオーナーとしては、是非注目しておきたい情報であると言えよう。