キヤノンは18日、一眼レフカメラEOSシリーズ用交換レンズの新モデルとして、「TS-Eレンズ」シリーズより「TS-E17mm F4L」と「TS-E24mm F3.5L II」を発表。発売は5月下旬を予定している。価格は、TS-E17mm F4Lが29万5,000円(税別)、TS-E24mm F3.5L IIが25万円(税別)。
両モデルとも、レンズの光軸を傾けるティルトと、レンズの光軸を平行に移動するシフトを搭載し、光軸とCMOS センサーなど撮像面の関係を操作し、写真に特殊な効果を加えるアオリ撮影ができるのが特徴。ティルトを利用すると、撮像面と平行でない被写体の全体にピントを合わせることや、撮像面と平行な被写体の一部にピントを合わせて撮影ができる。また、シフトを利用することで、高層ビルなどの被写体を上部が狭まらないようにパースペクティブをコントロールすることや、カメラの位置を固定したまま構図を変化させて撮影することが可能となっている。
また、レンズを±90°の範囲で回転させてティルトとシフトが利用できる「レボルビング」機能を装備。さらに、ティルトとシフトの移動方向を直行から平行まで0~90°の範囲で設定できる「TSレボルビング」機能を新たに採用したほか、ティルト部を0°の位置に固定する「ティルトロック」機構も備えている。
光学面では、大口径ガラスモールド非球面レンズを採用。建築物の撮影などで問題となる歪曲収差の発生を抑えて全画面での高画質化を実現するという。また、UDレンズを採用し、倍率色収差を適切に補正する。
そのほか、同社独自の特殊コーティング「SWC(Subwavelength Structure Coating)」を施すことで、フレアやゴーストを抑制。円形絞りを採用し、自然なボケ味を実現したという。
主な製品仕様は表のとおり。
製品名 | TS-E17mm F4L | TS-E24mm F3.5L II | |
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レンズ構成 | 12群18枚 | 11群16枚 | |
レンズマウント | キヤノンEF マウント | ||
画角 | 通常 | 対角 104°/ 垂直 70°30′/水平 93° | 対角 84°/垂直 53°/水平 74° |
シフト時 | 125° | 109° | |
ティルト角度 | ±6.5° | ±8.5° | |
シフト移動量 | ±12mm | ||
AF機能 | なし | ||
絞り形式 | EMDによるパルス制御 | ||
最小絞り | F22 | ||
絞り羽根枚数 | 8枚(円形絞り) | ||
最短撮影距離 | 0.25m | 0.21m | |
最大撮影倍率 | 0.14倍 | 0.34倍 | |
フィルター径 | 取り付け不可能 | 82mm | |
大きさ | 88.9(最大径)×106.7(全長)mm | 88.5(最大径)×106.9(全長)mm | |
質量 | 820g | 780g |