バカラ パシフィックは17日、"クリスタルのように輝いたアスリート"に贈られる「BACCARAT ATHLETES OF THE YEAR AWARD 2008(バカラ アスリーツ オブ ザ イヤー アワード 2008)」に、北京五輪金メダリストの北島康介選手(水泳)と上野由岐子選手(ソフトボール)の2人を選出し、表彰式を開催した。上野はソフトボール日本代表のカラーである赤を大胆にあしらったドレスに身を包んで登場。「ソフトの試合よりも緊張した」と恥ずかしげに語る上野に、北島は「初めてお会いしたんですが……。びっくりしました。きれいだな~って」と優しく声をかけた。
同社代表取締役の小川博氏より鋭いカッティングが施されたクリスタルのトロフィーを贈呈された2人は「ソフトボールをやってきて本当によかった。これからもスポーツを通して元気と感動を与えられるようにがんばりたい」(上野)、「今年になってオリンピックの熱が冷めた中でもこのような賞がもらえたことはうれしい」(北島)とそれぞれコメント。
小川社長の「413球のなかの255球目を覚えている?」という質問に対し上野は、「正直、『しまった~』と思った。2ストライクまで追い込んでいながらホームランを打たれて、ショックだった。『これがオリンピックなんだ』って思った」と北京五輪での試合を振り返る。255球目とは、「豪州との準決勝。7回表の2アウトで、あと1球でゲームセットという場面。そのあとホームランを打たれて、国民が凍りついた瞬間」(小川氏)。「チームのみんなの信頼があるからこそ。仲間がバックについていたことが何よりも心強かった」(上野氏)と、413球による優勝への道のりを思い返した。
北島へは「自由形と違い、平泳ぎは一瞬動きが止まるときがある。あのとき何を考えているのか?」と質問する小川氏。北島は「4種目の中で平泳ぎは(身体の動きが)止まる時間が長い。ひとかきだいたい0.1秒ぐらいで、常に止まる時間を短くしようとトライしてきている。そこで何を考えているのかというと何も考えていない(笑)」と。そう語る北島も「周りの人たちがいないと勝てない。コースラインに自信を持って登れるためには、周りの人たちの応援があってこそ。感謝の気持ちというのは忘れちゃいけないと思う」と、金メダル獲得は1人の力ではないということを語った。
この賞は、アスリートとしての活躍はもちろん、1人の人間としての社会活動に貢献したことに対しても贈られる。2人とも社会活動を通じて子どもたちと接する機会を積極的に設けている。「自分たちがやってきたことをそのまま素直に伝えたい。ソフトの楽しさや魅力を伝え、夢を持つことの大切さを子供たちに伝えたい」と上野。北島は続いて「子どもたちに目を向けて活動していくことは大切。もっと強い選手が出てきてほしいし、夢を持つことの大切さや『がんばればできる』ってことを伝えていきたい」と話す。また、「2016年の東京五輪が開催されたら?」という質問に北島は「出たいという気持ちは、ちょっとだけある」と笑ってみせた。