次のフェーズとしてスマートフォンを狙う
同社では、次のフェーズに入る場合、高いシェアを持つ携帯電話市場でのシェア拡大を狙うため、市場が成長しているスマートフォン市場向けDRAMとして2Gビットを超すMobile LPDDR2などの高速メモリのニーズが高まると見ている。「この分野は技術が必要となるため、競合となるメーカーがほとんどいない。エルピーダの持ち味を出せる領域。2009年はスマートフォンにそうしたハイエンドメモリを導入していく元年となる」(同)としており、意気込みを見せる。
また、市場全体の流れとしては、2008年第4四半期に生産調整が本格化、第3四半期比で15%程度の生産調整が進み、2009年第1四半期では同35%程度の生産調整が行われていると見ているが、「実際には同40%減程度になっているかもしれない」(同)としており、「第2四半期にはもう少し生産能力が落ちる可能性もある」(同)との予測も見せる。
実際に、DRAMのスポット価格は2009年に入り上昇、2月5日時点で1GビットDDR2(800Mbps)で1.23ドルまで戻ってきており、「2月にかけて価格が上昇してきた。今後は生産を減らした効果がさらに出てきて、3月ころには2ドル近くまで戻るのではないかと見ている。そうなれば、採算を取りやすくなる」(同)とした。
また、「この2年間で価格は1/15に下落した。これは異常な下げ幅で、競争原理からも外れている」(同)ことを指摘、台湾ベンダとの提携による生産能力の確保により、「プライスリーダーになることができる」(同)としており、それが健全な市場の創出に繋がるとした。
なお、懸念としてはPC市場の動向を取り上げており、「Windows 7は気にはしていない。また、64ビットOSへの移行についても、確かに大容量のメモリを搭載できるようになるが、アプリケーションの対応がまだ不十分であり、市場の拡大は難しい。それ以上に1番の課題はNetbook系の市場が拡大すること。Netbookではメモリがそれほど使われない。今はPCの総出荷台数比率では大きくないが、これが増えてくるとビット成長率が鈍化する可能性がある」(同)と指摘した。