台湾ベンダとの提携を模索
攻めの施策の1つとして、台湾のDRAMベンダであるProMOS Technologies、Powerchip Semiconductor(PSC)、Rexchipとの資本提携に向けた協議を行っているが、「エルピーダとしては、何らかの形で4社が連携を取っていくことが望ましいと考えている」とし、台湾政府が2月中にガイドラインを提示する予定であり、それを見てすり合わせを行っていければとした。すでに提携関係などの関わりを持つPSCやRexchipはともかく、ProMOSとはそれほどもつながりがないが、「提携に関しては、ProMOSを活かせる方向で進められれば」(同)としている。
仮に4社連合が誕生した場合の生産能力は、2009年第4四半期で設備投資を行わない場合で、300mmウェハだけで41万枚/月の生産能力となり、68nmプロセス(シュリンク版)を100%適用した場合、1GビットDDR2で、1,160個/ウェハ、歩留まり93%、月産チップ生産個数4億4,200万個となる。また、市況の状況次第では、120億ドル程度を投資し、ラインの生産能力の30%程度を50nm世代のプロセスに割り振る計画で、こうなった場合、50nmプロセス品の取れ数は1GビットDDR2で1,740個/ウェハとなり月産生産個数は合計で5億800万個程度となるという。これは、競合となるシェアトップ2社の生産能力を足し合わせた生産個数見込みである5億2~3,000万個程度に匹敵する値であり、「競争力は確保できる」(同)とする。
また、チップサイズについては、「6Xnmプロセス世代で、競合他社と比較しても、現在転換を進めている68nm(シュリンク版)で、55.95mm2(1GビットDDR2)であり、最少となる。また、50nmプロセス世代についても1GビットDDR3で39.99mm2、同DDR2で38.03mm2と、小さく、競争優位性を確保しやすい」(同)とする。
68nm(シュリンク版)は3月ころまでにすべてのラインの転換作業が終了し、歩留まりは90%に限りなく近い状態になっているという。また、50nmプロセスについては、「市況の状態次第で何時適用するかは不透明だが、必要となるのはハイエンドのモバイル機器などと想定している」(同)とする。気になる次世代プロセスとなる4Xnm世代品については、2009年上期中の試作開始を予定しているとのこと。