ハウス食品は5日、食品衛生法が定めるアレルギー物質のうち「えび」「かに」「キウイフルーツ」「モモ」「リンゴ」の5品目について、PCR検出技術を新たに開発したと発表した。PCR検出技術とは、食品中に特定原材料等が含まれているか否かを判定する検出技術のこと。同社では1996年頃から同技術の開発研究を手掛けており、2005年からは厚生労働科学研究費補助金による「食品中に含まれるアレルギー物質の検査法に関する研究」に参画して関係機関との共同研究を進めていたもの。

今回開発されたうち特に「えび」と「かに」の検出技術では、従来の甲殻類の検出技術では不可能だった「えび」と「かに」をそれぞれ区別して検出することが可能になったとのこと。これにより、甲殻類アレルギー保有者であっても「えび」または「かに」のいずれか一方は食べることができる人の食の選択の幅を広げることにつながるとしている。

なお「えび」と「かに」はアレルギーに関する症例数が多いことから、2008年6月の食品衛生法施行規則の改正で、表示が推奨される「特定原材料に準ずるもの」から、表示が義務付けられる「特定原材料」に指定が変更されたばかり。今回開発された「えび」と「かに」のPCR検出技術は「アレルギー物質を含む食品の検査方法を評価するガイドライン」に示された定性試験法の評価基準を満たすことが確認されており、1月22日付の厚生労働省医薬局食品保健部長通知「アレルギー物質を含む食品の検査方法について」にも収載された。