ReactOS Foundationは4日 (米国時間)、Windows NTシリーズとの互換性を持つフリーなOS「ReactOS 0.3.8」をリリースした。エンドユーザ向けには、Intel x86マシン実機で動作するインストールCD / ライブCDのほか、VMwareとQEMUに対応した仮想化ソフト用ディスクイメージが公開されている。

今回のリリースでは、レジストリ管理や入出力機能を担うカーネルコアサービス群の拡張と、前回リリース以降に確認された不具合を修正。メモリ管理機能やファイルシステムドライバなど、カーネルに残る不安定要素の修正にも着手した。

NT系OSのプログラミングに必要とされ、ReactOSにも内包されているSEH (Structured Exception Handling、構造化例外処理) は大幅に見直しされ、ネイティブのSEHとの互換性が向上した「Portable Structured Exception Handling mechanism (PSEH 2.0)」として実装された。ほかにも、ビデオドライバの機能アップやGDIの描画性能向上など、多くの点に改良が施されている。

RectOSは、Windowsとのバイナリ互換を目指し開発中のオペレーティングシステム。Windows NT系と互換性があるカーネルとHAL (Hardware Abstruction Layer) を独自に開発し、その上位レイヤーにWineプロジェクトのWin32 API互換ライブラリを実装することにより、Windows NT向けアプリケーションを実行することを可能にしている。開発は現在αステージとされているが、FirefoxやOpenOffice.orgなどのアプリケーションを実行できることが確認されている。

また一歩NTに近づいた? 「ReactOS 0.3.8」