ソニーから高性能な広角ズームレンズ「Vario-Sonnar T*(バリオゾナー ティースター) 16-35mm F2.8 ZA SSM」(SAL1635Z)が1月29日に発売された。このレンズをα900との組み合わせで試用できたので、レポートしたいと思う。価格は28万3,500円。市場価格はマイコミジャーナル価格情報をご覧いただきたい。
全域でF2.8まで開けられる超広角ズーム
「Vario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM」(以下、16-35mm F2.8)は、カールツァイス(Carl Zeiss)ブランドの高級レンズである。ソニーのα用レンズはソニーブランドと、このカールツァイスの2本立てだ。メーカーに確認したところ、ソニーブランドの上にカールツァイスが位置するわけではなく、それぞれラインナップを持っているという。しかしカールツァイスは高級ブランドであることは間違いない。
16-35mm F2.8は、その名のとおり焦点距離16mmから35mmまでをフォローするズームレンズ。フルサイズ対応だからα900と組み合わせれば、その焦点距離そのままの超広角の写真が楽しめる。またズーム全域でF2.8という明るさのため、絞りを開けての絵づくりが可能であるのはもちろん、暗い場所でもシャッター速度が稼げ、手ぶれの面でも有利になる。
カールツァイスの魅力のひとつは「T*」(ティースター)。これは独自のマルチコーティング技術で、レンズ内の反射を抑え、フレアやゴーストを抑える働きがある。また、製品名末尾の「SSM」は「スーパーソニック・ウェーブ・モーター(超音波モーター)」の意味で、高速で静かなピント合わせが可能になっている。
少々重いが、ファインダーは気持ちいい
16-35mm F2.8は、シンプルな円柱形のデザイン。他のソニー カールツァイスレンズにも共通するもので、表面はマット処理が施され、高級感も高い。リング操作はスムーズで、滑らかにズームする。ただ、ズーム全域でF2.8通しということもあり、ボディは大きく重い。重量860gだから、α900本体(850g)とほぼ同じ。
16-35mm F2.8を通して見るファインダーは、素晴らしく広く、快適である。α900のファインダーが広いということもあるが、周辺をチェックするには意識して見直さないといけないほどだ。ただα900側も関係するが、ファインダー内の周辺部は若干暗く見えるようだ。もちろん撮影する像は別なので安心を。
それにしても、フルサイズでの超広角を久しぶりに試すが、本当に景色が広い。APS-Cでは焦点距離16mmでも24mm相当になってしまい、フルサイズ16mmとはぜんぜん違う。フルサイズ16mmは、やはり回りが開けたシーンで使いたい。特にα900は色乗りがとてもいいので、山に登って広い風景を撮影したら面白いと思う。少々重いが、苦労する価値があるレンズだ。蛇足ながら、超広角だからパースも強く現れる。カメラがちょっと傾いただけでバレてしまう。三脚を使うなどして水平はきっちり合わせたい。