ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏 |
ソフトバンクは5日、2008年度第3四半期まで累計(2008年4月-12月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比765億円減の1兆9,822億円、営業利益は145億円増の2,746億円、当期純利益は同350億円減の581億円だった。また、通期業績予想のうち連結フリーキャッシュフローを当初発表から100億円増となる1,500億円のプラスに上方修正した。
ソフトバンクテレコムの固定通信事業、Yahoo! BBなどのブロードバンド・インフラ事業などでは利益が大きくなっているが、携帯電話事業では端末の販売台数減による減収、減価償却費の増加による減益となっており、全体の業績に影響を与えている。
一方、携帯電話事業において運転資本の改善は進んでいるとし、2008年度通期の連結業績予想を上方修正した。昨年秋、上半期決算発表時に6年ぶりとなる業績予想の発表を行った同社だが、そのときに示していた連結営業キャッシュフローを4,200億円のプラスから「4,200億~4,300億円のプラス」に、連結投資キャッシュフローを2,800億円から「2,800億~2,700億円」にそれぞれ修正し、連結フリーキャッシュフローを当初発表から100億円の上方修正となる1,500億円のプラスとした。
説明会で同社の孫正義社長は、携帯電話事業は会計上減収減益だが、事業会社であるソフトバンクモバイルの業績として見ると7.6%の増益であり、事業は健全に推移していると強調。端末の割賦販売の導入から2年が経過し、「月月割」(旧・スーパーボーナス特別割引)の負担が減ることなどから、今後通信料収入が大きく上向くと説明した。世界的な不況で企業業績予想の下方修正が相次ぐ中、同社の来期2009年度は、当初発表通り営業利益4,200億円(今期から800億円増の予想)を「自信を持って実現できる」とアピールした。