2008年12月にシンガポールで開催されたコンピュータグラフィックスの国際会議「SIGGRAPH Asia 2008」においてAMDが使用した、OpenCLのデモムービーが公開されている。ムービーの視聴には、YouTubeを閲覧できる環境が必要。
公開されたムービーは、AMDのFireProおよびFireStreamチームが作成した同社初のOpenCLデモ。スタート時点では、Dragonベースのプラットフォーム (4コアのPhenom II) のうち1つのコアしか使用していないが、コアを追加するにしたがい演算速度が短縮する様子を示している。同チームは、パーティクルや流体を使用したシミュレーションを通じ、OpenCLがどのようにGPUやDSP、マルチコアCPUから高性能パラレルコンピューティングを実現するか示すことができる、と説明している。
OpenCL (Open Computing Language) は、GPUの高い演算能力を一般的な計算に用いるGPGPU技術の一種。Appleを中心とした数社が草案を策定、OpenGLなどグラフィック技術の標準化で知られる非営利団体Khronosが取りまとめを行い、SIGGRAPH Asia 2008では正式な仕様が公開されている。OpenCLは、年内にリリースされるMac OS Xの次期バージョン「Snow Leopard」での採用が決定している。