Clutter Toolkitプロジェクトは1月30日 (米国時間)、アニメーション対応のGUIを構築できるオープンソースのライブラリ「Clutter 0.9.0」をリリースした。依存関係にあるライブラリはGLib 2.14.0以降 / Cairo 1.6以降 / Pango 1.18以降、およびOpenGL 1.4以降 / OpenGL ES 1.1。LinuxやMac OS Xなど、多くのUNIX系OSで動作する。
Clutterは、OpenGLおよびOpenGL ESをバックエンドに使用するGUIライブラリ。リッチな外観とOpenGLによる高速アニメーション処理のほか、GTK+にPango、GStreamerやCairoといったGnome関連のライブラリと高い親和性を備え、RubyやPythonといったスクリプト言語に対応するバインディングを装備している。今回のリリースは、安定版v1.0の公開に備えた開発者向けバージョンという位置付け。従来のv0.8系列との互換性はなく、予定されているOpenGL ES 2.0のサポートは未完成だが、多くの新機能が用意されている。
Clutterの開発を進めるOpenedHand社は、組み込み機器を得意とする英国のLinuxベンダー。2008年9月にIntelにより買収、現在はIntel Atomプロセッサ搭載のモバイル機器向けLinux OS「Moblin」の開発を進めている。OpenedHandが中心のプロジェクトは、他にX Window System用ウインドウマネージャ「Matchbox」などがあり、いずれもMoblinでの採用が見込まれている。
モバイル機器対応のリッチなGUIを提供する「Clutter」 (画像はClutterプロジェクトのWebサイトより) |