--デザイナーと開発者の垣根を超える試みの一環として「Flash Catalyst」を発表されましたが、このツールについての意気込みをお聞かせください。
(Catalystは)革新的な、まったく新しいRIAツールだと思っています。アプリケーションを作るときに生じていたデザイナーと開発者の間にある大きなギャップ - それぞれがそれぞれの仕事しかしないorできない、という状況を大きく改善できるのではないでしょうか。とくにデザイナーは、自分の成果物に対してインタラクティブ性を十分に発揮できるようになると確信しています。デザイナーが思い描いた通りのアプリケーションが、ぐっと作りやすくなると思います。
Catalystは現在プレビュー版ですが、開発自体は順調に行われています。ただし、正式バージョンはいつになるか、という問いにはまだ答えられる状態にはありません。より多くのユーザからフィードバックをもらい、それを反映した修正を行い…ということをしばらく繰り返す必要がありますから(注: Adobe MAX JapanではFlash Catalystのプレビュー版DVDが来場者に配布された)。
私自身は、Catalystについて「非常にエキサイティングなツール」と感じています。
--Microsoftのクラウドコンピューティング環境「Azure」が注目されていますが、Adobeはクラウドに対してどんな準備をされているのでしょうか。
すでにいくつかのクラウドによるホスティングサービスを開始しています。詳細はAdobe Acrobat.comというサイトをご覧になってみてください。とくにおもしろいと思うサービスはオンラインワープロの「Adobe Buzzword」ですね。これからもいろいろと新しいサービスを出していく予定です。
開発者向けにAPIも公開していきたいと考えています。リアルタイムコラボレーションツールであるCocomoなどもその中に組み込んでいけるようにしていくつもりです。
Adobeがクラウドに取り組む際に重要なのは「顧客が何を求めているか」を的確に判断し、それを広く提供していくということです。それがAdobeの強みです。