映画『ベンジャミンバトン 数奇な人生』のジャパンプレミアが29日、六本木ヒルズのアリーナ広場で催された。会場には主演のブラッド・ピットが、パートナーのアンジェリーナ・ジョリーと連れ立って登場した。
本作は、F・スコット・フィッツジェラルドの同名短編小説を映画化。80歳の老人の体を持って生まれ、歳を経るごとに若返るという不思議な体を持ったベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)の一生を描く。監督は『セブン』のデヴィッド・フィンチャー、脚本は『フォレスト・ガンプ/一期一会』のエリック・ロス。アカデミー賞で13部門にノミネートされている。
当日はあいにくの曇り空。冷え込む空気の中、主役の登場を待ちわびる900人以上のファン、多数の報道陣の前に、先にデヴィッド・フィンチャー監督が登場。期待の高まる中、ブラッド・ピットがリムジンから降り立つ姿がスクリーンに映し出されると、会場は一気に興奮のるつぼに。そのブラッド・ピットがリムジンからエスコートするのは、なんとパートナーのアンジェリーナ・ジョリー。思わぬサプライズに観客からはどよめきの声が沸き立った。
ピンストライプのタキシードとフォーマルな出で立ちのブラッド・ピットは、会場に到着するやいなやレッドカーペットとは逆の方向へ。意外な行動にMCは苦笑するも、会場に入れなかった観客にはまたとないスペシャルなプレゼントとなった。その後はレッドカーペットをゆっくりと歩みつつ、ファンの声援やサインに気軽に応じる二人。30分以上に及びファンサービスの間、会場からの黄色い声援や悲鳴は鳴り止むどころか高まっていくばかり。
レッドカーペットを渡り終えたブラッド・ピットとデヴィッド・フィンチャーはステージに登壇。「みなさんありがとうございます。こんな温かい大歓迎をしていただき本当に今最高の気分です。この映画は本当に長い時間をかけて作りました。それを日本に持ってこれて大変うれしく思っています。みなさんぜひこの映画を楽しんでください」とブラッド・ピットが挨拶し、日本語で「ドウモアリガトウ」と感謝の気持ち伝えると会場の熱気は最高潮に達した。
監督のデヴィッド・フィンチャーは、本作を製作したきっかけを尋ねられると「(原作が)とにかく美しいストーリーなので、私が楽しんだのと同じようにお客様も楽しんでくださるという自信がありました。だから作りました」と自信を伺わせる一言。また歳をとると共に若返るという役を演じたブラッドは、「これは私にとって決して難しい役ではありませんでした。むしろ楽しんで喜んでやったことです」と語り、特殊メイクを施した自分の顔を見た感想を「自分で歳とったらこうなるんだなぁということがわかって、非常にいい経験でした」と述べた。
挨拶の途中、口パクでマイクが壊れたかのようなお茶目なパフォーマンスを披露するなど、終始ご機嫌だったブラッド・ピット。最後に「ありがとう。I love you!」とファンに言葉を贈りイベントの幕を下ろすも、別れを惜しむファンの熱はしばらく冷めやむことはなかった。
映画『ベンジャミンバトン 数奇な人生』は、2月7日(土)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショー。
撮影:石井健