「Adobe Creative Suite」のバージョンアップによって、「Adobe After Effects」も「CS4」にバージョンアップされた。After Effects自体のバージョンとしては、バージョン9にあたる。After Effectsは、映像の合成や加工、モーショングラフィックスの作成などをおこなうビジュアルエフェクトソフトで、映像制作の現場では定番のソフトだ。Adobe Creative Siteの中では、「Adobe Premiere Pro」などによる映像編集に使用する素材映像を提供したり、「Adobe Encore」によるDVDのオーサリングに使用するメニュー画面の作成などの役割を担っている。
「Adobe CS3」で「Photoshop」などとの連携強化がなされたAfter Effectsだが、今回の「Adobe CS4」ではさらに連携を深める機能の強化がなされている。代表的な新機能としては、「Adobe Photoshop CS4 Extended」の3Dレイヤーへの対応、映像をセルアニメ調にする「カートゥーン」エフェクト、「Flash Professional」のXFLファイルへの書き出し、トラッキングツール「mocha」の同梱などが挙げられる。では早速After Effects CS4の新機能や変更点について前編、後編の2回に分けて紹介していこう。
インタフェースの変更点
After Effects CS4のインタフェースは、7.0から採用されたパネルグループによるワークスペースが継承されている。しかし、デフォルトのアピアランスが、これまでのグレーを基本としたカラーから、ダークグレーを基本としたカラーに変更された。また機能面において、大きな変更はないが、アイコンのデザインが新しくなっていたり、パネルなどのインタフェースアイテムの名称が変更されているなど、細かい部分でのリニューアルが施されている。分かりやすいインタフェースの変更は、プロジェクトパネルやタイムラインパネルに検索用のテキストフィールドが追加されていること。そして、コンポジションフローチャート表示にミニフローチャートが追加されたことを受けて、タイムラインパネルにコンポジションミニフローチャートを表示するアイコンが用意されていることだ。