内閣府は26日「今週の指標」を発表した。今後の倒産件数の動向について、政府の経済対策で倒産件数の増加は一旦緩和するが、その後は再び企業倒産が増加基調となる見込みが高いと分析している。

東京商工リサーチの「倒産月報」によると2008年の倒産件数は15,646件で前年に比べ11.0%の増加。指標ではこの数字について、燃料価格の高騰により運輸業などで倒産が増加したこと、改正建築基準法やサブプライムローン問題などの影響で不動産市況が低迷したことなどを原因として挙げた。

最近の倒産については、資源価格が昨年9月以降下落傾向に転じ、資源高を原因とする倒産件数が減少傾向となったが、世界的な景気減速により売上の減少に直面する中小企業が急増、製造業をはじめとする幅広い業種で倒産件数が増加した、と分析している。

今後については、セーフティネット貸付や信用保証の拡充といった政府の経済政策で倒産件数にある程度の歯止めはかかると予測。ただし、中小企業向け貸し出し残高が前年から減少し、資金繰りが悪化している中小企業が増加していることを踏まえ、経済対策効果は一時的なものでその後は再び増加していく可能性が高いとみている。

指標をまとめた内閣府の経済財政分析の担当者は「倒産件数の増加の緩和がはっきり数字に出るのは早ければ今月。再び増加へと向かうのは今年の中ごろの可能性がある」と話している。