艶やかな振袖姿で登場した吉高由里子

伊坂幸太郎原作のベストセラー小説を映画化した『重力ピエロ』(5月23日公開)。20日に東京・有楽町で完成披露試写会がおこなわれ、主演の加瀬亮、岡田将生、吉高由里子、小日向文世らが舞台挨拶をおこなった。

試写会に先駆けて開かれた会見には、主人公の弟・春を演じた岡田将生と、春を追いかけるミステリアスな女性・夏子役の吉高由里子が。成人式を迎えたばかりの吉高は、この日は振袖姿で登場。着物のテーマについて聞くと、「"フレッシュ!"です」と即答していた。

会見では、「変化」をテーマに、「変化は無限」(岡田)、「変化に気付く自分。」(吉高)と、それぞれの思いを綴った色紙も披露。「今年はどんな変化を遂げていきたいか?」と質問された吉高は、「成人式も迎えたので、今年は"艶女(アデージョ)"になっていきたいと思います」と答え、報道陣を沸かせた。

「変化」をテーマに、それぞれの思いを書いた色紙を披露する吉高由里子(左)と岡田将生(右)

続いておこなわれた舞台挨拶では、主人公の泉水を演じた加瀬が、「前に森(淳一)監督の作品を見てから、ずっと監督と一緒に仕事がしたいと思っていました。今回でひとつ夢が叶いました」。吉高は、「素敵な映画に参加できて、嬉しく思っています。現場ではみんな仲が良くて、優しくて、ほわ~んとした時間が流れていたイメージがあります。それが映像に出ていると思うので、全国公開がいまから楽しみです」と挨拶した。

舞台挨拶に登壇した面々。左から森淳一監督、吉高由里子、岡田将生、加瀬亮、小日向文世

加瀬は撮影に入るまで、原作の小説は読まなかったそう。「いままで何度も原作のある映画に出演させてもらったけど、自分で勝手に解釈してしまい、演技の邪魔になることが多かったんです。だから今回は読みませんでした」とその理由を語った。

吉高は自身が演じた謎の女性・夏子について、「皆さんが想像する夏子のイメージをぶっ壊してしまったかも……」

「内容の深さとエンタテインメント性が、不思議なバランスで成り立っている作品だと思います」と加瀬

一方、原作を愛読していたという岡田は、「好きだった作品の実写版を見て、がっかりすることってあるじゃないですか(笑)。春役が決まった時は、まさか自分が(春のイメージを)壊すことになるとは……と思ったけど、一生懸命がんばりました」。

泉水と春の父・正志役の小日向は、演技で最もこだわった点を聞かれると、「若い頃のシーンがあったので、ヅラ(カツラ)にはけっこうこだわりましたね。微妙に形を変えたりとか……。小日向がヅラを被っているとわかるだけで、シラケちゃいますから」。ときどき額に触れながら話す小日向に、観客からも笑いが。「あとはテープを貼ってシワを伸ばしたりもしました。出来上がりを見てほっとしましたね。若いな俺! って思って(笑)」。

主人公の弟・春役を演じた岡田。「映画はどうでしたか?」と観客に尋ねると、会場から惜しみない拍手が送られた

「僕も息子が2人いるけど、加瀬君と岡田君と演技して、成長した息子2人を目の前にしたような気分でした」と小日向

その後も"ヅラ"発言を連発した小日向だが、さすがに反省したのか、「"ヅラ"っていうとまずいですよね。その……メイクというか(笑)」と言う場面も。ややピンボケ(?)な訂正に、会場は再び爆笑に包まれた。

映画『重力ピエロ』は、5月23日より全国ロードショー。なお、本作のロケ地にもなった 宮城では、4月25日に先行公開される。

(c) 2009『重力ピエロ』製作委員会