お笑いタレントのなるみが本格的な舞台で初主演を務める公演『ケセラセラ日和』(3月27~29日 大阪・ABCホール)の制作発表会見が21日、大阪・吉本興業本社で行われた。

『ケセラセラ日和』は、京都を中心に活動し、映画やドラマなどに出演、脚本も手がけるなど全国区の活躍で注目を浴びる劇団『ヨーロッパ企画』の人気役者・永野宗典が初めて作・演出を担当する作品。団地の主婦たちが繰り広げるストーリーで、永野をはじめ同劇団の役者陣がなるみの脇を固める。なるみの役どころは団地に住む未亡人。永野によれば「夢見がちな未亡人。団地の灯りを見ながら『みんな幸せそう。なぜ私だけ不幸なんだろう』と妄想するような思い込みの激しい主婦」とのことで、ほかにも劇団の役者陣が主婦とその夫の二役を演じるなど、ユニークな舞台になりそうだ。

左から『551蓬莱』田中一昭常務、なるみ、永野宗典

私生活では「普通にマンションの会合とか出たりする主婦なんです」となるみ

舞台初主演のなるみは、今年でデビュー20周年。1999年に漫才コンビ・トゥナイトを解散してからは司会業が多かったが、20年の節目を迎え、「がんばる年にしたいと。久々に自分をいじめてみようと、吉本の枠を飛び出して新しいことにチャレンジすることにしました」と新境地への意気込みを。

本格的な舞台稽古は3月から入るが、『ヨーロッパ企画』のメンバーとの作品についてのミーティングや、エチュード(即興芝居)などの稽古は始めているという。「緊張の日々です。まず、主演ということでプレッシャーはありますし、みなさんに迷惑かけたらダメだと思うし、常に緊張してます。エチュードでも、私の動きだけコントっぽくなってるんじゃないかとか(笑)」と初々しい感想を漏らしたなるみだが、劇団員たちとの交流は「癒しに尽きる」とか。「私は16歳から吉本という肉食系のとこにずっといたので(笑)。みなさんがポワーンと穏やかで、しゃべったり一緒にゴハン食べたりするだけで癒される。私の中になかった空気に包まれているので、芝居が終わったら私もキャラも変わってるかも(笑)」と新鮮な経験を楽しんでいるようだった。

そんななるみの役者ぶりを「過剰に緊張されているようですが、演技には何の問題もないと思います。むしろうちの俳優陣が、演者として同じステージで対等に渡り合えるのかとビビってるぐらい」と絶賛する永野は「僕も初の作・演出で、なるみさんも初主演ですけど、そこで物怖じせずに楽しんで、素敵なカーテンコールを迎えられるような舞台にしたいです」と意欲を見せていた。

さらに会見では、『551蓬莱』のCMで1998年からなるみと共演している同社常務取締役・田中一昭氏が激励に訪れる一幕も。「CMでご一緒して、なるみさんに女優の片鱗は見えていました! これで大女優の道を一歩踏み出されるんかなと。大女優になってもサインちょうだいね!」と茶目っ気たっぷりのコメントで笑いを誘い、会見を盛り上げていた。

『ケセラセラ日和』は、3月27日~29日の期間で大阪・ABCホールにて公演。前売3,500円(2月14日~一般発売)当日3,800円。