40年連続でフランス版ミシュランガイドで三ツ星を獲得しているレストラン「トロワグロ」。そんな同店が小田急百貨店と業務提携25周年を迎える。それを記念して17日、カフェレストラン「カフェ・トロワグロ」が同百貨店新宿店にオープンした。料理長は、ハイアット リージェンシー 東京「キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ」で腕を振るっていた秋山佳永さん。ここでは、フランス本店のエスプリが詰まったという「カフェ・トロワグロ」をレポートする。
「トロワグロ」の歴史
「カフェ・トロワグロ」の詳細を語る前に、まずは「トロワグロ」について話しておこう。「トロワグロ」の創業は1930年にさかのぼる。現在のオーナーシェフであるミッシェル・トロワグロさんの祖父にあたるジャン=バティスト・トロワグロさんが、フランス・ロアンヌで駅前のホテルレストランを買い取ったことに始まる。その後、2人の息子が受け継ぎ、1955年にはミシュランガイドの一ツ星、1965年に二ツ星、そして1968年に三ツ星を獲得。
ミッシェル・トロワグロさんが数々の名店で研鑽を積み、「トロワグロ」に戻ってきたのは1982年のこと。父や伯父が獲得した三ツ星を現在も守り続けている。
小田急百貨店とは1984年に業務提携。新宿店本館・ハルク地下食品売り場に「トロワグロブティック」をオープン。1990年にはカフェ「サロン・ド・テ トロワグロ」を設け、パンや惣菜、菓子、ワインなど、様々なアイテムを扱っている。
「カフェ・トロワグロ」の秋山佳永シェフ |
今回オープンした「カフェ・トロワグロ」は、1990年にオープンした「サロン・ド・テ トロワグロ」(その後、1999年に「カフェ・トロワグロ」に改称)がリニューアルしたもの。店名に"カフェ"とつくものの、ドリンク主体だった以前の店とは異なり、前菜やメインなど食事メニューを充実。ランチとディナータイムはそれぞれプリフィクスメニューを用意。複数のメニューの中から好みの前菜やメイン、デザートを選ぶことができる。その他にアラカルトも前菜・メインで各5品程度揃えている。ティータイムはデザートのほかにサラダやオープンサンドといった軽食も準備。飲み物だけではなく、終日食事利用ができる店へと生まれ変わった。
シェフの秋山佳永さんは、「『トロワグロ』の精神を受け継いだ料理を提供します」と話す。メニューの中には秋山シェフが腕を振るっていた「キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ」で出しているものもあり、「より手頃な価格で味わってもらえます」とのこと。メニューは季節替わりを基本としつつ、月替わりの料理も組み込んでいくという。現在展開中のメニューは、「春を意識して構成しました。食べたときに軽い感じを出すため、柑橘類を多く使い、風味や後味を爽やかに仕上げています」(秋山シェフ)。
メニュー構成
プリフィクスメニュー
前菜+メインまたはメイン+デザート 1,680円(ランチタイムのみの提供)
前菜+メイン+デザート 2,205円(ランチ&ディナーで提供)
前菜+メイン2種+デザートまたは前菜2種+メイン+デザート 2,940円(ランチ&ディナーで提供)
ランチ&ディナータイムのメニュー2品。写真左は、前菜「フレッシュなシェーブル(山羊のチーズ)とバジルのカネロニ(大きなマカロニ風)、ナスのクリーム」1,365円(プリフィクスでのオーダーの場合+105円)。写真右はメイン料理「本日の新鮮なお魚料理、オリーブとレーズンのタプナード、太陽の香りたっぷりのラタトゥイユ」1,680円(プリフィクスでのオーダー時は+210円) |
ティータイムのメニュー2品。写真左は「地中海風のグルメなオープンサンド」1,260円。カンパーニュにアンチョビとドライトマト、オリーブなどをのせたオープンサンド。レモンはコンフィにして酸味を抑えて使用。写真右は、「季節のフルーツのスープ仕立てとヨーグルトのソルベ」1,260円。果実実あるベリー系のソースを色とりどりのフルーツとともに。ヨーグルトのソルベをのせた |
※ランチタイム11:00~14:00、ティータイム14:00~18:00、ディナー18:00~21:00