日本百貨店協会が19日発表した2008年の全国百貨店売上高(既存店ベース)は前年比4.3%減の7兆3,813億円で、12年連続で前年実績を割り込んだ。"タスポ効果"もあって好調なコンビニエンスストアに売上で追い抜かれるのは確実なようだ。
商品別にみると、衣料品が6.2%減と振るわなかったことが大きい。特に全売上高の23.9%を占める婦人服は6.7%減と低迷。美術・宝飾・貴金属といった高級品も8.9%と大きく落ち込んでおり、景気悪化の影響が色濃く出た形となっている。ほかに大きく売上を落としたのは家電(17.8%減)、家具(13.1%減)など。プラスになったのは食料品(0.3%増)や化粧品(2.2%増)。
主要10都市の都市別売上高をみると、すべての都市で前年比減となっているが、特に名古屋は7.8%減と落ち込みが大きい。地域別では北海道が7.5%減と減少率がもっとも大きく、東北(6.0%減)九州(5.5%減)が続いている。
一方、対照的なのが「taspo(タスポ)」カード導入に伴う店頭でのたばこ販売が好調なコンビニエンスストア業界。日本フランチャイズチェーン協会のまとめによると、コンビニエンスストアの店舗売上高(全店ベース)は昨年11月まで17カ月連続のプラス。2008年1月~11月までの全国売上高は7兆1,500億円を超えており、年間売上高でコンビニが百貨店を抜くのは確実となってきた。