投資信託協会が19日に発表した2008年の投資信託概況によると、公募投信全体の運用による損失は金融危機による世界的な株価下落や円高が大きく影響し、28兆2,996億円で過去最大となった。運用損失は2年連続。

公募投信の2008年12月末の純資産総額は前年比34.6%減の52兆1,476億円と、2002年以来6年ぶりに減少に転じた。前年比の減少幅はこれまで最高だった2002年の9兆2,647億円を大きく超える27兆6,129億円となった。拡大を続けてきた投信だが、ここにきて残高が1年で3分の1も減少したことになる。また、投信の購入額から解約額と償還額を引いた年間の資金流入額は6,867億円となり、前年の14兆3,283億円の20分の1以下にまで激減した。

主力の株式投信での運用損失も28兆3,038億円と過去最大。純資産総額は前年比38.8%減(25兆9,410億円減)の40兆8,433億円で、年間の資金流入額は2兆3,627億円だった。

なお、同日発表された昨年12月の月次投資信託概況によると、12月の公募投信全体の運用増は3,248億円で、公募投信の純資産総額は前月比1,393億円増の52兆1,476億円。7月以来5カ月ぶりに増加に転じている。