ソニーは、液晶テレビ「ブラビア(BRABIA)」の新シリーズ「J5」4機種、「V5」2機種を発表した。発売日、価格などは表のとおり。
同社では、昨年7月に、低消費電力型の液晶テレビ「KDL-32JE1」を発売している。KDL-32JE1では、液晶パネルのバックライトに、低電圧でも高効率な蛍光管を採用すると同時に、光学フィルターに使用されるフィルムの透過率をアップすることで、少ない電力でも、従来と同じ画面の明るさをキープするという技術が採用されていた。
J5シリーズの「KDL-32J5」「KDL-26J5」に採用されているのは、KDL-32JE1で採用されている技術をさらにリファインしたもので、KDL-32JE1では、消費電力が89W、年間消費電力量が86kWh/年だったものが、KDL-32J5では、同84W、76kWh/年にまで抑えられており、省エネ基準達成率は、KDL-32JE1の232%から263%へと向上している。
また、KDL-26J5では消費電力70W、年間消費電力量70kWh/年で、省エネ基準達成率は221%、KDL-22J5では同56W、56kWh/年で223%、KDL-19J5では同39W、40kWh/年で257%となっている。これらのうち、KDL-26/22/19J5は、現時点での業界No.1(32V型に関しては、パナソニックの「TH-L32X1」が同83W、73kWh/年で、現時点でのトップ)。
なお、J5シリーズは、すべて、1366×768画素のパネルを採用したハイビジョンモデル。地上/BS/110度CSのデジタルと地上アナログのシングルチューナーを搭載する。HDMI入力は2系統2端子で、アナログPC入力端子(D-sub15ピン)も1系統装備する。映像エンジンは、ブラビアエンジン2。本体色は、アンバーブラウン、サファイアブルー、クリスタルブラック、セラミックホワイトの4色が用意される。
V5シリーズは、フルHDパネルを採用した省エネモデル。一般的な液晶テレビでは、バックライトの光源に、CCFL(冷陰極管)が採用されている。冷陰極管は電極にフィラメントが不要なため、その分小型化が可能だが、効率は低い。それに対して一般的な照明用にも使用されているHCFL(熱陰極管)は、効率は高いが、電極にフィラメントが必要なため、その分小型化は困難とされている。V5シリーズでは、フィラメントを、2重らせん構造とし、CCFLと同程度の、4mm径という極細のHCFL管を開発。これをバックライトの光源として採用することで、従来モデルに比べて、約40%も消費電力を削減している(従来機種KDL-46V1では消費電力263W、年間消費電力量213kWh/年、KDL-46V5では、同153W、157kWh/年)。なお、この2重らせん構造のフィラメントを採用した電極の製造には、トリニトロンカラーテレビの部品製造で培われた技術が応用されているとのことだ。
現在の節電の目安を示す「消費電力ヘルプバー」 |
また、画面下の中央部分に人感センサーも装備。半径約3m、横約80度、縦約30度の範囲の人の動きを検出し、一定時間、テレビの前に人がいない状態になると、自動的にバックライトのオフ、スタンバイ状態へと切り替わるというものだ。バックライトがオフになった消画状態では、通常の視聴状態に比べて、約50%の消費電力となる(ダイナミックモード時)。なお、設定できる時間は7秒/5分/30分/60分/切の5種類。
なお、J5/V5の両シリーズとも、省エネ関係の設定を、すべてXMB(クロス・メディア・バー)上から行うことが可能だ。また現在、どのくらい省電力が効いているのかの目安となる「消費電力ヘルプバー」も採用されている。
シリーズ | 型名 | 発売日 | 価格 | 推定市場価格 |
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J5 | KDL-32J5 | 2月20日 | オープン | 13万円前後 |
KDL-26J5 | 11万円前後 | |||
KDL-22J5 | 9万円前後 | |||
KDL-19J5 | 3月5日 | 8万円前後 | ||
V5 | KDL-46V5 | 2月20日 | 28万円前後 | |
KDL-40V5 | 21万円前後 |