米Intelは15日(現地時間)、2008年第4四半期および通年決算を発表した。マイクロプロセッサの数量は過去最高を記録したが、売上高、純利益ともに減少した。2009年以降は、「状況は不透明だが、基本的な事業戦略はこれまで以上に集中していく」(社長兼CEOのPaul Otellini氏)。
2008年第4四半期(10-12月)の決算は、売上高が前年同期比23%減(前期比19%減)の約82億ドル、営業利益が前年同期比49%減(前期比50%減)の約15億ドル、純利益が前年同期比90%減(前期比88%減)の約2億3,400万ドル。
前期比で、Intel Atomプロセッサと関連チップセットの売上げが50%増加し3億ドルとなったが、マイクロプロセッサとチップセットの出荷数が大幅に減少。また、同社が保有する米Clearwireの株式時価の影響による10億ドルの減損に起因し、投資、利息およびその他による11億ドルの損失が発生している。なお、マイクロプロセッサすべてのASP(平均販売価格)は同等で、Atomを除くASPは上昇している。
2008年通年の決算は、売上高が前年比2%減の約376億ドル、営業利益が前年比9%増の約90億ドル、純利益が前年比24%減の約53億ドル。
通年で、マイクロプロセッサの数量、ならびにサーバ向け/モバイル向けマイクロプロセッサの売上高は過去最高。また、チップセットとワイヤレス接続製品の数量と売上高も過去最高で、粗利益率も向上したが、全体では売上高、純利益ともに前年比で減少している。なお、売却した事業を調整した場合は、売上高は微増となる。
2009年第1四半期の予測については、見通しの難しさを理由に、売上高の予測の公開は見送られたが、「社内目的」としては70億ドル程度の売上を見込むと言う。ほか、製造施設の稼動低下と32nmプロセスの立ち上げ費用により、粗利益率が40数%に低下する見込み。研究開発費、販売費および一般管理費は約25億ドルを予測。
厳しい状況が予想される2009年だが、通年では、研究開発費が約54億ドル(2008年は約57億2,200万ドル)、設備投資も2008年と同等もしくは微減(2008年は51億9,700万ドル)を見込む。
同社日本法人のアシスタント・ジェネラル・マネージャーである宗像義恵氏は、「2009年は確かに厳しい年になるだろうが、だからこそ、戦略的に重視すべき分野にはしっかりとした投資を行い、upturneに備える必要がある」と説明する。同氏は、2009に同社が重点を置く取り組みとして、(1)PC事業の強化 (2)IAの事業領域の拡大 (3)新規事業の開拓、の3点を挙げている。