ウィルコムは15日、HDT(当時、ヒューネット・ディスプレイテクノロジー)から、特許侵害として提訴されていた、多機能通信モジュール「W-SIM」の裁判について、ウィルコムの勝訴判決が確定したことを発表した。

この裁判は、2006年3月に東京地方裁判所にHDTが、ウィルコムのW-SIMがHDTの保有特許を侵害するものとして提起したもの。ウィルコムに対して同製品の譲渡等の差止および廃棄を求めた。これに対してウィルコムは、W-SIMがHDTの特許権の技術的範囲に含まれない、また該当する特許の有効性に疑問があることを主張し、争っていた。

東京地裁はウィルコム側の主張を認め、同年12月5日にHDTの請求を棄却する判決を下したが、HDTはこれを不服として同18日に知的財産高等裁判所に控訴を提起。しかし今回HDTが控訴を取り下げたことにより、東京地裁の判決が確定することとなった。

ウィルコムではこれについて「当社の主張の正当性が司法の場において確認されたものと認識しております」と発表している。