iTuens StoreのApp Storeに、iPhone / iPod touch向けのサードパーティ製Webブラウザが登場し始めた。ただし、これらは全てSafariとベースを同じくするアプリである模様だ。
1月12日から13日の間に新たに追加されたブラウザは以下の4つ。
Edge Browser:アドレスバーのないフルスクリーンでWebページを表示する。iPhone/ iPod touchのディスプレイを全てWebページ表示に利用できるようにする。
Incognito:”匿名”という名称が示す通り、ブラウザを閉じるとブラウジングの履歴が自動的に削除され、第3者に見られるのを防げる。
Shaking Web:Accelerometer機能を活用したブラウザ。走行中の車など、揺れている状態で小さな文字を読むのは難しいが、Shaking Webは動きを検出し、安定して読めるように補正するという。縦方向の補正のみの標準モードのほか、縦・横の動きに対応するターボ・モードが用意されている。
WebMate:新規タブ機能を備える。パソコンのブラウザでは、メインページからいくつかのリンクをまとめて新規タブで開き、それらを読んでは閉じながら、またメインページに戻るという閲覧方法が可能だ。iPhoneのSafariでは、リンクのワンタップで新規タブを開けないため、開いて戻るを繰り返すことになる。WebMateではリンクをタップすると、そのページが新規タブとして背面に開く。
いずれも英語アプリだが、14日時点でEdge Browser以外は日本のiTunes Storeから購入できる。
iPhone SDKの規約では、AppleがパブリッシュしたAPIまたは内蔵のインタープリタで実行されるもの以外のインタープリタ言語のダウンロードや使用が制限されている。そのため規約が変更されない限り、Safari以外のWebブラウザをiPhone/ iPod touchでは利用できないと考えられていた。今回配信開始された4つのブラウザはSafariと同じベースで、Safariにはない機能を提供する亜種のようなアプリである。これらが同時に提供開始になったことから、App Storeの審査基準に新たな一線が引かれた可能性が高い。モバイル版のFirefoxが認められるような解禁ではないだろうが、今後はば広くWebKitエンジンのWebブラウザが認められる可能性が出てきた。少なくとも、配信され始めた亜種の機能へのユーザーの評価がSafariの改善につながるメリットがある。