パナソニックは、2009 International CESで3DフルHDや厚さわずか8.8mmの薄型プラズマテレビなどの新製品を出展。それ以外にも、日本でも発表されたフルHDビデオカメラ、Wireless HDによるホームネットワークなどさまざまな展示が行われていた。

同社のブースで注目を集めていた8.8mmの薄型テレビ

薄型プラズマテレビなどテレビ関係以外では、大量のフルHD対応ビデオカメラが注目を集めていた同社のブース。国内では「SDR-H80」「HDC-HS300」「HDC-HS200」「HDC-TM300」「HDC-SD200」の5製品が発表されたが、CES会場にはHDC-HS200をのぞいて、さらに「SDR-H90」「SDR-S26」「HDC-HS250」「HDC-HS20」「HDC-TM20」「HDC-SD20」「SDR-S15」「SDR-SW21」の12モデルが展示されていた。

SDR-H90は、SDR-H80と比べ、内蔵HDDが60GBから80GBに大型化されており、LPモードで最大72時間まで映像を記録できる(SDR-H80は54時間)。SDR-S26はSDカードに記録する。いずれのモデルもYouTubeへの簡単なアップロード機能、0.8秒のクイックスタート機能、オプションのDVDドライブ「VW-BN1」に接続して簡単にDVDビデオが作成できる機能などを備える。

こちらは国内でも発表された「HDC-HS300」

同じく「HDC-TM300」

同「SDR-H80」

光学70倍という高倍率ズームのカットモデル。使用した感じは、思ったよりも手ブレ補正の効果があるということ。とはいえ、三脚があった方が確実なのは確か

SDR-H90の発売は4月で、米国での価格は499.95ドル。本体カラーはブラックのみ。SDR-S26は、同じく4月の発売で、価格は329.95ドル。シャンパン、ブラック、ブルー、レッドの4色が用意される。

こちらはSDHCカード採用の「SDR-S26」

HDC-HS250は、HDC-HS200の80GBに対して120GBのHDDを内蔵したモデル。米国での価格は999.95ドルで4月の発売となっている。

「HDC-HS250」

HDC-HS20/TM20/SD20は、より簡単に使えることを目指した初中級者向けモデル。いずれも光学16倍のLeica Dicomarレンズを搭載している。HDC-HS20は80GBのHDDとSDHCカードスロットを備えたハイブリッドモデル。HDC-TM20は内蔵の16GBメモリとSDHCカードスロットを、HDC-SD20はSDHCスロットのみをそれぞれ搭載した。

「HDC-HS20」

「HDC-TM20」

「HDC-SD20」

撮影時のズームやパン、シーン変更、サウンドレベルの上下、顔認識などから「Intelligent Index System」によって撮影のハイライトを検出して画像を作成する「Highlight Playback」機能を搭載し、より素早く内容を把握できる。また、1.9秒のクイックパワーオン機能や、5つのマイクによる5.1chサラウンドシステム、VIERA Linkのサポートなどの機能を備えている。

米国での価格はHDC-HS20が799.95ドル、HDC-TM20が649.95ドル、HDC-SD20が599.95ドル。発売はいずれも4月。

SDR-S15とSDR-SW21は、アクティブユーザーに向けたモデル。SDR-S15は記録メディアにSDHCカードを採用するシンプルで軽量なモデル。iA機能を搭載して自動でシーンを判別して最適な設定で撮影でき、簡単に素早く利用できる。

防水・耐衝撃性能を備えた「SDR-SW21」

SDR-SW21は、堅牢で軽量なボディに防水性能を追加。約2mの水深まで耐えられ、真水だけでなく海水にも対応。約1.2mの高さから落としても耐えられる耐衝撃や防塵機能も搭載。こうした堅牢性ながらボディはコンパクトで、ポケットに入れられるサイズ。0.6秒というクイック録画機能も搭載している。

ちょっと分かりにくいが、SDR-SW21を水の中に沈めたところ

SDR-SW21のカットモデル

SDR-SW21はライムグリーン、オレンジ、シルバーの3色展開で、米国での価格は399.95ドル。SDR-S15はブラック、シルバー、チョコレートの3色展開で、同299.95ドル。発売はいずれも4月だ。

自由度を増した新型リモコン

新しいテレビのリモコンインタフェースの展示も興味深い。サイズとしてはちょっと大きめで、2つのタッチパッドとその中央にいくつかのボタンを装備したもの。特徴は、リモコンのキー割り当てがソフトウェアで自由に行えるという点だ。

ボタンをなくし、タッチパッドを採用した新リモコンのプロトタイプ

縦に持つと普通のリモコンに早変わり。押しているところは指のイラストを参考にする

最近のリモコンは、テレビやHDDレコーダーの高機能化にともなってボタン数が増えている。各社とも、新製品の度にボタンの機能や配置を改良して使い勝手の向上を図っているが、ソフトウェアキーボードにすることで、より自由度を増したリモコンにしようというのが狙いだ。

例えばリモコンを縦に持つとテレビの画面にテレビのチャンネルを選択する数字キーが現れる。右手で持っているか左手で持っているかも認識し、よく使うOKボタンは、右手だと左下、左手だと右下の位置に移動する。

リモコンを横にして持つと画面にQWERTY配列のソフトウェアキーボードが表示され、タイピングができるようになるので、文字入力がより高速にできる。

横持ちにするとQWERTYキーボードとして利用できる

両手でのタイプも可能

画面には指が触れた位置に指のイラストが表示されるので、それを確認しながら操作する。慣れないと操作は難しいが、逆にリモコンを見なくても、画面を見ていれば操作でき、暗い場所でも操作に困らないのはメリットといえる。

これは神経衰弱的なゲームで、タッチパッドをマウス代わりに使う。さまざまな使い方が想定できる

ソフトウェアキーボードだと押したときの反応がないため、タッチパッドが押し込めるようにしてフィードバックを得られるようにも配慮している。

そのほか、録画した動画のサムネイルからコンテンツを選択して再生するなど、さまざまな操作が行えるようになっており、完成度は高い。ソフトウェアで自由にレイアウトできるため、UIの向上や設定の自由度も増す。

反応もよいし、見る限りは完成度も高かったが、現時点で製品化の予定などはなし。今後さらに開発を続けていくという。

こちらは会期直前のカンファレンスで発表された世界初のポータブルBlu-ray Discプレイヤー

個人的に期待していたマイクロフォーサーズ規格のHD動画撮影対応モデルは、今回もケース内での展示