埼玉県教育委員会は8日、中学校や高校での携帯電話の使用を禁止する方針を明らかにした。1月30日に配布する予定の教員向けネットいじめ対策マニュアルの中で、指導方針として明示。各校での使用禁止のための規定づくりを促し、携帯電話利用が元となるさまざまなトラブルを予防することを目的としている。
携帯電話使用禁止の指導方針が盛り込まれるのは、ネットいじめ対策マニュアル「ネットいじめ等の予防と対応策の手引 - ネット被害から子どもたちを守ろう! - 」。1月30日に開かれる生徒指導担当者向けの研修会で配布される予定。
同マニュアルでは、ネットいじめへの、対応方法や生徒指導上の留意点などを示すほか、ネットいじめ予防の観点から、中学校での携帯電話の持ち込み・使用禁止、高校における携帯電話使用禁止(持ち込み・所持は認める)を求める指導方針を明示する。
埼玉県教委によると、埼玉県内の中学校、高校では、ほとんどの学校で携帯電話の使用が禁止されているが、「校内規定としてきちんと整備されているのは47.9%にすぎない」。
埼玉県教委では、今回マニュアルで指導方針を明示することで、「県内の中学、高校での校内規定整備に役立ててもらいたい」と話している。
学校での携帯電話の持ち込み・使用については、2008年12月、政府の教育再生懇談会が小中学校への携帯電話持ち込みを原則禁止するなど、学校における携帯電話取り扱いに関する方針の明確化を求める提言の素案を公表。
また、自治体でも、大阪府や香川県が小中学校への携帯電話持ち込みを禁止する方針を示しており、今後こうした動きが他の自治体に波及することも予想される。