こんにゃくゼリー最大手のマンナンライフ(本社・群馬県)の「蒟蒻畑」の販売再開から1カ月あまり。こんにゃくゼリーファンにとっては念願の"復活"だったが、「安全であることが証明されていない」といった理由で大手スーパーは入荷を見合わせたまま。2カ月弱の製造・販売中止の影響は思いのほか大きく、売り上げも低迷気味のようだ。

マンナンライフが製造・販売を一時中止したのは昨年10月上旬。兵庫県の9カ月の男児(事故当時)が同社の「蒟蒻畑」をのどに詰まらせ約2カ月後に死亡した事故を受けてのことだった。同社は警告表示を大きくしたり、原料のこんにゃく粉の割合を減らして弾力性を低くしたりするなどの事故防止策をとり、11月26日に製造を再開。12月5日ごろから店頭での販売が始まった。製造中止期間は、ネット上で製造再開を求める署名活動が展開され、3万人分以上の署名が集まるなど、こんにゃくゼリー"擁護派"の意見も目立っていた。

しかし販売が再開してから1カ月が経過した今もイトーヨーカ堂、イオン、ダイエーなどの大手スーパーの店頭には「蒟蒻畑」は戻っていない。マンナンライフによると、「安全性が証明できてからでないと置けない」といった理由などで多くのスーパーが入荷を見合わせたままだという。

また2カ月にも満たない期間だったとはいえ、"ブランク"の影響も大きいようだ。「蒟蒻畑」の製造・販売中止を受け、他社のこんにゃくゼリーを代わりに入荷するようになった店からは「いったんほかのメーカーに替えたのにすぐに(『蒟蒻畑』に)戻すわけにはいかない」という理由も聞かれるという。

マンナンライフには「製造再開のニュースを知ったがいつものスーパーになかった。どこに行けばいいのか」といった問い合わせの電話も多いという。同社は「大手ドラッグストアチェーンなどはすぐに商品を置いてくれた。また商品を置いてもらっている店舗での売り上げが落ち込んでいる感じもない。大手スーパーにも販売を再開してもらえるように力を尽くしているところです」と話している。

一方、国民生活センターでは8日、「ミニカップタイプのこんにゃくゼリーの現状について」との調査結果を発表した。2008年12月5日~10日に購入した国内の5銘柄のこんにゃくゼリーのかたさや弾力性などを2007年7月の調査時と比較。銘柄によりばらつきが大きく、特に「弾力性」では必ずしも改善されたとはいえない銘柄もあるとしている。同センターでは改めて「ミニカップタイプのこんにゃくゼリーは子どもや高齢者に与えてはいけない。」と注意を呼び掛けている。

旧商品とのかたさの比較 国民生活センター公表

旧商品との弾力性の比較 国民生活センタ―公表